国産ブドウ100%にこだわる"プレミア感"

昨年、サントリーグループの中でワイン専門会社として誕生したサントリーワインインターナショナルが満を持して、日本ワインの新ブランド「ジャパンプレミアム」の立ち上げを発表した。同社では国産ブドウ100%のワインを"日本ワイン"とし、日本独自のブドウ品種や名産地に着目。グローバルマーケティングを見据えた商品展開を行っていくとした。新ブランドでは、次の3つのこだわりを前面に押し出した。


  • 産地名・品種名の表示

1909年に開園されたサントリーのワイナリー「登美の丘ワイナリー」(山梨・甲斐)で造られる同社のワイン「登美の丘ワイナリー」シリーズは、100%自社農園のブドウだが、ジャパンプレミアムシリーズは全国各地の契約農家のブドウが使われていおり、こちらを「産地シリーズ」(6種)、品種をブレンドせず単一品種のみで造られた「品種シリーズ」(4種)として発売する。

「ジャパンプレミアム 産地シリーズ」6種

「ジャパンプレミアム 品種シリーズ」4種


  • ボトルの容量変更

日本では日本酒の四合瓶に倣って720mlボトルが現在でも主流だが、今回は欧米の主流サイズ750mlに変更した(一部を除く)。また一部ではサントリー初となるブルゴーニュ型の瓶(なで肩タイプ)も採用した。


  • 国産ブドウ100%のワインが「日本ワイン」

国産ワインの中には、海外から輸入した果汁やワインを日本でブレンドして発売されているものも数多くあるが(主に1,000円以下の低価格帯ワイン)、日本独自のブドウ品種や優れた産地に改めて着目、国内で栽培されたブドウのみを使用したワインを「日本ワイン」と定義し、日本人の味覚に合ったワインを追求した。

以下は今回発売されるジャパンプレミアムシリーズのラインナップである。

シリーズ名 商品名 風味 容量・価格 内容
品種シリーズ 「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA 2008」 赤・ライトボディ 750ml・1,600円 日本を代表する赤ワイン用品種マスカット・ベーリーAで造られたワイン。山梨県産と長野県産ブドウを使用
「サントリージャパンプレミアム 甲州 2008」 白・辛口 750ml・1,600円 山梨県産の甲州種100%
「サントリージャパンプレミアム メルロ & カベルネ・ソーヴィニヨン 2008」 赤・ミディアムボディ 750ml・1,600円 長野県産のメルロと山梨県産のカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンド
「サントリージャパンプレミアム リースリング・フォルテ 2008」 白・辛口 750ml・1,600円 日本固有品種「甲州三尺」とドイツ系品種「リースリング」を交配した品種。サントリーが開発したもので、軽やかでさわやかな柑橘系が特徴
産地シリーズ 「サントリージャパンプレミアム 信州シャルドネ 2008」 白・辛口 720ml・3,020円 長野県北安曇郡池田町、上高井郡高山村、千曲市八幡峠産のシャルドネを使用。長野県原産地呼称認定ワイン
「サントリージャパンプレミアム 塩尻メルロ 2007」 赤・フルボディ 720ml・3,330円 長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、岩垂原地区のメルロを使用。長野県原産地呼称認定ワイン
「サントリージャパンプレミアム 塩尻マスカット・ベーリーA 2009」 赤・ミディアムボディ 720ml・2,310円 長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、岩垂原地区のマスカット・ベーリーAを使用。長野県原産地呼称認定ワイン
「サントリージャパンプレミアム 津軽シャルドネ 2008」 白・辛口 750ml・2,380円 青森県弘前市、北津軽郡鶴田町産のシャルドネを使用
「サントリージャパンプレミアム かみのやまメルロ 2008」 赤・ミディアムボディ 750ml・2,380円 山形県上山市産のメルロを使用
「サントリージャパンプレミアム 安曇野ソーヴィニヨン・ブラン 2009」 白・辛口 750ml・3,250円 長野県北安曇郡池田町産のソーヴィニヨン・ブランを使用

意外にもリーズナブル、といえるのでは

新たに作成されたシンボルマークがラベルに。ブドウの房と葉をモチーフにして家紋風のデザインに

ジャパンプレミアムシリーズは、日本固有の品種や、たとえヨーロッパ品種であっても、日本の地でしっかりと育てられたブドウを、その個性を生かしたまま日本人の口に合うように、そして和食にも合うように意識して醸造されている。ラベルを含むボトルの外観や"プレミアム"というネーミングから、高価なワインを想像していたのだが、そうではなかった。品種や産地で多少の違いがあるものの、1,600円から手に入るのはうれしい限りである。

「品種の個性を楽しむ」「同品種異産地の違いを楽しむ」。はたまた「和食とのマリアージュを楽しむ」ことができるようになるということは、これぞ"日本ワインの個性"を知るということ。こうした造り手の自信は、ブドウの房と葉をモチーフにした金色に輝く新しいシンボルマークにしっかりと表れている。