昨日の海外市場動向
米銀大手ステート・ストリート(STT.N)の明るい決算見通しと欧州金融機関のストレステストへの懸念緩和を背景に欧米株式が上昇。米国SPXでは、1040-42レベルがサポートとして意識されたこともあり、ファンド筋の買いを誘発する展開となった。
株式市場の上昇を受け、為替市場もリスクテイクが強まり、円やドルが売られる展開となった。逆にリスク通貨は上昇。ユーロは対ドルで1.26ミドルをタッチ、対円では111.00手前までショートカバーが進行し、 豪ドル、NZD共に底堅い展開となった。
本日の主要経済指標及び要人発言
・08:50 日本・5月機械受注
・08:50 日本・5月国際収支
・10:30 豪・6月雇用統計
・13:00 日本・6月企業倒産件数
・14:00 日本・5月景気ウォッチャー調査
・14:45 スイス・6月失業率
・15:00 日本・6月工作機械受注(前年比/速報値)
・15:00 独・5月国際収支
・17:30 英・5月鉱工業生産
・17:30 英・5月製造業生産高
・19:00 独・5月鉱工業生産
・20:00 BOE(英中央銀行)政策金利発表
・20:00 南ア・5月製造業生産
・20:45 ECB(欧州中央銀行)政策金利発表
・21:30 トリシェECB総裁記者会見
・21:30 加・5月新築住宅価格指数
・21:30 米・新規失業保険申請件数
・28:00 米・5月消費者信用残高
本日のアジア市場動向
欧米株式の上昇により、アジア時間でも投資家のリスク選好姿勢が強まる可能性が出てきた。
欧州金融機関に課したストレステストへの懸念緩和と、米企業決算を前にアルコア(AA.N)やステート・ストリート(STT.N)といった景気敏感株で明るい見通しが強まっていることが、株価の下支え要因となっている。
日本225種は、9000前半での底堅さはすでに確認済みであることから、昨日の高値9329円レベルを超える可能性がある。一方、下値は明日のSQ算出と絡んだ権利行使価格9250円とその権利行使価格より若干上に位置する5日MAが焦点として浮上しそうだ。
株価堅調なれば、ユーロや豪ドルへの買い戻しの動きは継続されやすいか。
朝方はショートカバー後のポジション調整によりひとまず上値は抑えられているが、アジア株式の展開次第では、ユーロ円は111.00のラインを、豪ドル円は76.00のラインをそれぞれトライするか注目したい。
その為替動向を占う上で重要なのが、10:30に発表予定の6月雇用統計だろう。市場では、雇用者数変化は減少、失業率は横ばいとの見通しとなっている。リスク許容度が回復してきており、ポジティブな内容となれば豪ドルを中心に、米ドル売りを誘発する可能性が出てくる。ただ、クロス円の動向だが本邦実需の興味がどの程度出てくるか。