昨日の海外市場動向

米市場が休場ということもあり商いは閑散となるも、強弱まちまちだったアジア市場とは対照的に、週明けの欧州市場はリスク回避で幕を開けた。

先週より相次いだ米中経済指標の弱い内容が、グローバル規模での景気減速懸念へとつながり、リスクに敏感な金融や資源といったセクターでは売り圧力が強まった。特に、前者は今月末のストレステストの結果にも注目が次第に集まっており、上値の重い展開となった。

この株式市場の動向を受け、為替もユーロや豪ドルといったリスク通貨が下落する展開へ。ただ、米国勢が休みということもあり、売り終息後はショートカバーが入る等、動意に乏しい展開のまま取引を終了した。

本日の主要経済指標

・10:30 豪・5月貿易収支

・13:30 豪・RBA(豪準備銀行)政策金利発表

・14:00 日本・5月景気先行CI指数(速報値)

・14:00 日本・5月景気一致CI指数(速報値)

・16:15 スイス・6月消費者物価指数

・21:30 加・5月住宅建設許可

・23:00 米・6月ISM非製造業景況指数

本日のアジア市場動向

欧州勢は米中の景気減速懸念を背景に、グローバル経済の成長が減速することに対して敏感になっており、本日のアジア市場では、この影響がどこまで及ぶかが注目される。

昨日の動向で気がかりなのは、再びドイツ国債と財政危機に直面している国々の国債利回りが拡大し始めたことだろう。やはりこの問題に対する投資家の不安心理は、簡単には払拭することができないことがあらためて確認されたかたちとなった。

そしてこの欧州債務問題が台頭すれば、ダイレクトにユーロへ波及する可能性が高い。そのため、ユーロ円を中心にクロス円で円高が進行する可能性が出てくる。仮にそのような状況となれば、ドル円の上値も88.00のラインで抑えられ、テクニカル的にも売りが出やすい状況ができあるだろう。そしてこの円高が、主力輸出関連株や景気敏感株を中心に株安を誘発するという連鎖も想定しておいた方が良いかも知れない。

また、本日は10:30のRBA(豪準備銀行)政策金利発表とその後のRBAのコメント次第で、株式や為替が大きく動く可能性もある。

市場の見通しは据え置きとなっているが、RBAがどのような政策スタンスを今後採るのか、この点を市場は探ってくると思われる。気の早い一部の市場関係者の間では、今回は据え置きとなっても、将来的な世界経済の減速を理由にRBAが利下げを実施するのではないか、との意見も出始めている。

同国では大手資源企業との間で資源超過利潤税を巡り楽観論も台頭してきた矢先だけに、RBAが今後の豪経済へどのような予測を立て、どのような金融政策を実行しようとするのか、そのスタンスによって豪ドルも大きく上下する可能性があるため注視したい。

ドル円 日足

英FTSE100株価指数日足