アジア市場動向
本日のアジア株式は強弱まちまちの展開となるも、イベント通過のあく抜け感もあり、日本225種は終始堅調な値動きが継続した。
一方、円相場で円高が一服したことも投資家のリスク許容度を拡大させ、株式市場での総悲観論を後退させたまま欧州タイム序盤へと入った。
海外市況動向
週明けのアジア株式市場が強弱まちまちの展開となったことを受け、欧州債務問題や米中の景気後退懸念による全面的なリスク回避はひとまず終息した感が出ている。
また、本日は米市場の休場に加え、欧州もバカンスシーズンに突入したことから、限られた市場参加者しかいない本日の欧州株式が大きく上下に動く可能性は低いか。
ただ、そのような状況下でも、景気敏感セクターである資源株の動向には注視した方が良いだろう。なぜなら、本日のアジア市場ではスポット金、WTI先物共に下げ止まり感を強めていただけでなく、オーストラリア政府が同国内で事業を展開する鉱山開発企業と資源超過利潤税を巡り、課税対象を鉄鉱石または石炭事業のみに絞って適用する新提案が導入される見通しとなったことを受け、グローバルで多角的に事業を展開する大手資源系にとっては、当初想定されていたよりも利益への影響は少ないと見られるからだ。
また、先週末は財務問題を抱える欧州各国とドイツ国債との利回り格差が縮小したこともあり、値ごろ感の出てきた金融株を下支えする可能性もある。このため、株価指数へのインパクトが強い両セクターで堅調な値動きとなれば、為替市場でもユーロや豪ドルで買い優勢の展開となるシナリオが浮上すると思われる。
ただ、経済成長への鈍化がグローバルで懸念される状況は変わらず続いていることに加え、今月は米企業決算への警戒感もあり、仮に本日の株式や為替市場でリスクテイクの動きが継続しても、それがトレンドを形成すると判断するには時期尚早と思われる。