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EU自体への信認問題へと発展している欧州財政危機だが、その震源地となっているギリシャの1-3月期GDP改定値が前期比で1%減、前年同期比では2.5%減少し、深刻なリセッション(景気後退)への懸念が高まっている。

当時にエネルギー価格や嗜好品の値段が上昇したとこによりインフレ率は5.4%まで上昇する等、スタグフレーションの兆しも出ており、依然として予断を許さない状況だ。

もちろん今回の結果は、緊縮財政や増税が影響したことも大きいが、このままギリシャの成長率が低迷するようだと、ユーロ売りに更なる拍車がかかる可能性が出てこよう。ちなみにギリシャ政府が考える今年の同国の経済成長率は、マイナス4%前後を想定しているとのこと。

ユーロ円 1時間足

ユーロ円 RSI 1時間足

心理的節目であった110.00が完全に破られたことにより、今後はこのラインがレジスタンスとして意識される状況が見られよう。

1時間足で確認すると、短期レジスタンスラインもちょうど110.00のライン付近に位置しており、ユーロショートカバーを抑える可能性が考えられる。

仮に突破しても110円ミドルレベルでの上値の重さも気になるところであり、110.00―50をレジスタンスゾーンとして見ておきたい。

逆に下値は、109.00がひとつの目安となりそうだ。この水準を下抜けるとショートカバー圧力が強まっていることから、109.00以下ではロングを考えたいところ。ただしその際には、オシレーター系指標と組み合わせることが重要となろう。

現時点(日本時間13時前)でのRSIを見ると、109.00-110.00の中間地点にいることを反映し、ほぼニュートラルの状況となっている。このまま110.00トライとなれば70の水準を上抜ける可能性が高く、短期レジスタンスラインが意識され反落といったイメージが描ける。逆に下を見るなら109.00-108.50レベル付近でのRSIの状況を見極めたいことろだろう。