FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。アジア市場は、欧州連合(EU)がギリシャへの緊急支援対策をまとめたことを背景に信用不安が後退し、リバウンド基調が強まった。

これにより為替市場ではユーロショートカバーが継続し、対円では心理的ラインである120.00を突破し120円ミドルレベルまで、対ドルでは1.30のライン目前まで上昇している。一方、ユーロの動向を確認した投資家は株式市場でもリスクテイクを強めた。

日本225種は序盤から底堅い展開となり、10500円を突破すると前日比166.11円で本日の取引を終了。中国市場もギリシャ債務危機が後退したこと、これを受け米先物が堅調な値動きとなったことを受けた根強い買いが継続した。

この流れを受け、本日の欧米株式市場でも先週より急落した分の買い戻しが入るか注目される。

本日は欧米で主要な経済指標の予定がないことから、欧米タイムではこのギリシャ問題を軸に各市場が動く可能性がある。まずはギリシャ問題が後退したことにより、銀行株で買い戻しが入るか注目したい。先週はこの問題が直撃し、のきなみ金融セクターが下落した経緯がある。

また、株式やユーロの上昇により、商品市場も反転していることから資源系セクターでも根強い展開になるか焦点として浮上しよう。特にエネルギー関連セクターは、ルイジアナ州沖のメキシコ湾で発生した原油流出事故も重なり軟調な地合いとなっていたが、本日アジアンタイムでは、WTI6月限は75ドル付近から78ドル手前まで反転、7月限では80ドルの心理的ラインを上抜けると82ドル台を目指す展開となっている。原油流出に関しては、その悪影響を食い止めるための作業が難航しているが、急落後のショートカバートレンドに乗っかり、買い戻しが入るか注目したいところ。

また、本日の注目材料として、20:00のBOE(英中央銀行)政策金利とその後の声明文が予定されているが、前回を踏襲した内容となればそれほど市場へのインパクトは薄いと思われる。

むしろ、総選挙というビッグイベントを消化した英国だが、第1党となった保守党は単独過半数には届かず、今後は自由民主党に連携を模索することになった点が注目だろう。現状、大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスやスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、今回の結果が英国の格付けに影響を及ぼすことはないとの見解を示しており、短期的にはアジア市場からのリスクテイクトレンドの流れを強める可能性がある。

仮にそのような展開が強まった場合、ポンドは対ドルで既に1.49台へと到達しているため、1.50の心理的ラインを意識した展開となるか、それに伴い対円でも140.00のラインをトライするかが焦点となりそうだ。

ウォール街株価指数 日足

ポンドドル 日足