FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。昨日の欧米市場は、ソブリン・リスク懸念の後退、米企業の好決算と新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことにより、株式、為替そして商品市場全般でリスクテイクが強まった。

欧州市場では、メインテーマであるソブリン・リスク後退により、景気敏感セクターである金融や資源系が指数上昇の牽引役となった。また、欧州企業の好決算も好感された。

この状況は米市場へも波及。米最大の携帯電話メーカー・モトローラ(MOT.N)の好決算をきっかけに、M&A関連では米ヒューレット・パッカード(HPQ.N)が米携帯情報端末メーカーのパーム(PALM.O)を約12億ドルで買収すると発表したことも株式上昇を牽引し、ウォール街株価指数、SPX500種は1%以上の上昇率となった。

また、株式上昇は為替市場でのユーロショートカバーへと波及し、対円では再び125.00のラインをうかがう展開となった。しかし、対ドルでは調整の範囲内におさまったことから、徐々に上値が重くなり反落。商品市場は、景気回復期待とドル安を背景に底堅い展開となり、WTIは2%以上の上昇となった。

本日の主要経済指標

・07:45 NZ・3月住宅建設許可

・08:01 英・4月GFK消費者信頼感調査

・08:30 日・3月失業率

・08:30 日・3月全国消費者物価指数

・08:50 日・3月鉱工業生産(速報値)

・13:00 日・3月自動車生産(前年比)

・14:00 日・3月住宅着工戸数(前年比)

・14:00 日・3月建設工事受注(前年比)

・15:00 日・日銀『経済・物価情勢の展望』

・16:30 日・白川日銀総裁記者会見

・18:00 ユーロ・4月消費者物価指数速報

・18:00 ユーロ・3月失業率

・18:30 スイス・4月KOF先行指数

・21:00 南ア・3月貿易収支

・21:30 加・2月GDP

・21:30 米・1QGDP(年率・速報値)

・21:30 米・1Q個人消費(速報値)

・21:30 米・1QGDP価格指数(速報値)

・22:45 米・4月シカゴ購買部協会景気指数

・22:55米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

・時間未定 日・政策金利発表

要人発言

・15:30白川日銀総裁の会見

・17:00ヒルデブランドSNB総裁の発言

ソブリン・リスクに関しては、日々その見方が変化するが、昨日はリスク懸念後退の流れとなったことを背景に、投資家のリスク許容度が再び増したというトレンドに従うなら、本日の東京市場も底堅い展開となるか注目。

リスクテイク要因としては、やはり企業業績だろう。

グローバル・リセッション後の新興国を中心とした経済発展により、グローバル化が進んだ欧米企業では、自国よりもそういった国々での利益増による好決算が続いている。それは日本も同様であり、いかに新興国、特に中国市場へ食い込めるかが明暗を分けると市場では考えられている。本日の決算発表でも電気機器や輸送用機器そして鉄鋼と中国と関係の深い銘柄の決算発表が予定されており、その動向に注目したい。

ただ、日本ではゴールデンウィークを控えていることから、仮に好決算となっても積極的なポジションテイクをするタイミングではない。先物の動向を見ながらリスクトレンドを見極めることが重要だろう。

チャートでも11100円付近を頭に、依然として11000円越えでは過熱感から売り圧力が強い。また、25日MAもレジスタンスとして意識され続けており、本日もこのMAを中心とした攻防になる可能性がある。

為替市場では引き続き株式の動向を見ながらの展開となろう。

昨日は独メルケル首相がギリシャ支援に関し積極的関与を示せば、仏サルコジ大統領はドイツとの協調姿勢を表明した。これによりソブリン・リスクが後退したという楽観論が再び強まっているが、ユーロドルは1.32ミドルにも届かず反落していることから、依然として先行きは不透明。

更に、大手格付け会社ムーディーズのアナリストは、ここ数日以内にギリシャの格付けをS&P同様『ジャンク(投機的)級』にすることを示唆している。主要な格付け会社ではムーディーズのみが未だ『投資適格』としており、実際格下げが行われた場合、再びユーロ売り圧力が強まることも考えられる。このため格付け機関の動向には、アジアンタイムより常に注意した方が良いだろう。

また、再び利上げ観測が強まってきた豪ドル、そして来月6日に総選挙が行われる英ポンドの動向にも注目したい。

豪ドルは、オーストラリア国内の景気自体は先進国のなかでもしっかりとしており、資源価格上昇にインフレ圧力が常にある。外部リスクにより反落する場面は見られてもポジション調整の範囲内におさまり、この金利先高感を背景に88.00のライントライの可能性も考えられる。

また、英ポンドは財政政策が争点のひとつとなっているが、総選挙後の政権がどのような財政策を採用するかが、今後の英ポンドの動向を左右するだろう。それまではユーロに追随した動きとなる可能性がある。

ウォール街株価指数 日足

ドル円 日足