日本フランチャイズチェーン協会が25日発表したコンビニエンスストア11社の8月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比5.5%減の6,584億円で、3カ月連続で前年を下回った。24日に日本チェーンストア協会が発表した8月の全国スーパー売上高(既存店ベース)も前年同月比3.4%減で9カ月連続の前年割れとなっており、消費の低迷は小売業の業績に深刻な影を落としてきている。

関東地区が全国で最後にたばこ自販機の成人識別カード「タスポ」を導入した昨年7月から1年以上が経過。コンビニ店頭でたばこを買ったついでに缶入り飲料や弁当などを購入する 「タスポ効果」が数字上では“消滅”したこともあり、6月のコンビニの売上高は前年比2.3%減と14カ月ぶりのマイナスに。7月には天候不順などの影響で前年同月比7.5%と98年12月の調査開始以来最大の減少率を記録した。

8月は、既存店の顧客1人当たりの購買額が573.5円で前年比3.8%の減少。弁当やおにぎりといった消費期限が短い食品類の販売額(全店ベース)は、顧客の低価格志向に対応した値下げなどから7カ月連続で減少。来店客数(既存店ベース)も前年比1.7%減となっている。

一方、8月の全国スーパー売上高は1兆778億円で昨年12月から9カ月連続で前年割れ。商品別では、衣料品が前年同月比12.3%の大幅なマイナス。家具や雑貨、家電製品などの「住関品」は同3.1%減、天候不順でアイスクリームや飲料などの販売が低迷した食料品は前年同月比2.0%減だった。

コンビニ、スーパーよりさらに売上高の減少が深刻なのは百貨店。日本百貨店協会が今月18日に発表した8月の全国百貨店売上高は、前年同月比8.8%減の4,568億円。7月(前年同月比11.7%減)との比較では2.9ポイント改善したものの、前年割れは18カ月連続となった。同協会では天候不順により水着や日傘などが不調だったほか、総選挙の影響もあったとしている。