楽天リサーチと楽天は14日、楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」において実施した、読書・図書に関するインターネット調査の結果を発表した。これによると、全体の半数近くとなる46.4%の人が、「電子書籍を今後利用したい」と回答した。
調査は、全国の15~69歳の男女を対象に、2009年8月31日~9月1日に楽天リサーチが実施。回収サンプル数は、1,200サンプル(性別×年代均等割付 各セル100サンプル)だった。
電子書籍を知っているか聞いたところ、「やや知っている」が50.0%と半数を占め、「よく知っている」の19.2%を合わせると、約7割(69.2%)が電子書籍について認知していることが分かった。性年代別にみると、10代の「よく知っている」は32.5%で、全体平均に比べ13.3ポイント高く、若年層の認知の高さが際立つ結果となった。
さらに、電子書籍の利用意向について聞いたところ、「利用したことはないし、今後も利用したくない」との回答が最も多く43.3%、次いで「利用したことはないが、今後利用したい」(33.2%)、「利用したこともあるし、今後も利用したい」(13.2%)が続いた。「利用したことはないが、今後利用したい」と「利用したこともあるし、今後も利用したい」をあわせると46.4%となり、すでに利用した人を含めて、半数近くが今後電子書籍を利用する意向であることが分かった。
続いて、電子書籍の利用意向がある人、ない人それぞれに、その理由を聞いたところ、電子書籍を利用したい理由として最も多かったのは、「何冊も書籍を持ち運ぶ必要がなく、手軽になるから」で55.2%だった。次いで「すぐにほしい書籍を購入し、手軽にダウンロードすることができるから」が50.4%となり、携帯や利用における手軽さが支持の理由であることが分かった。
利用したくない理由としては、「電子画面で文字を読むのが疲れるから」が60.1%でトップ。次いで「紙で読む習慣がついているから」(45.8%)、「読んだ気がしないから」(31.2%)が続いた。楽天リサーチではこの結果について、「PCや携帯電話が普及したとはいえ、書籍を読むという行為においては、利便性より従来の読み方を重視する傾向がある」と分析している。
電子書籍を購読する際使いたい端末については、「PC」が75.0%、次いで「携帯電話の端末」が43.0%と続き、「電子ブック」は17.8%にとどまった。「米Amazon.comが提供している電子書籍リーダー『Kindle(キンドル)』の動向に注目が集まる中、電子ブックがどこまで日本で浸透するかが焦点となる。日本での認知、普及はこれからだと考えられる」(楽天リサーチ)。
さらに、今後電子書籍が日本で普及するかを聞いたところ、「今後3~5年の間に普及すると思う」が30.2%で最も多く、次いで「普及には5年以上かかるが普及すると思う」(27.9%)、「日本では普及しないと思う」(22.3%)が続いた。「8割近くが普及すると思うと答えていることからも、今後の拡大への期待感が伺える結果となった」(同社)。
上記の結果を見ると、電子書籍に対する認知度と期待が高まっており、今後電子書籍がどのような形で普及していくがが、注目される。