ブラックエプロンバリスタが集結した新スタイルの店
「スターバックス コーヒー」の国内店舗数は今年3月31日現在、854店舗。しかし、その中に新しいスタイルの店がある。今年4月にオープンした東京・新宿の「スターバックス コーヒー 新宿マルイ本館2階店」だ。この店では、スターバックスの中でも限られたバリスタしかつけることのできない"ブラックエプロン"を全員が着用している。つまり、スターバックスの精鋭が集まった店舗なのだ。
店舗の詳しい紹介を行う前に、「ブラックエプロン」について説明しておこう。通常、スターバックスのバリスタはグリーンのエプロンを身につけている。黒いエプロン=ブラックエプロンは、同社のバリスタの中でも特に専門的なコーヒーの知識を有する者だけに着用を許されているアイテムなのだ。スターバックスで扱う商品以外の知識、例えばサイフォンをはじめとした抽出器具に関する知識も必要とされ、つまりは"コーヒー全般"を把握していることがのぞまれる。社内で年に1度試験が実施され、厳しい基準をクリアした者のみにこのエプロンが与えられるのだ。
厳密に言うと、これまでにも全員ブラックエプロンという店舗はあった。「ホールビーンストア」と呼ばれる豆売り専門店で、東京・二子玉川の「玉川高島屋S・C店」が該当する。しかし、こちらは物販のみ。カフェスペース(イートインスペース)を持つ店舗としては新コンセプトである。ここまで説明すれば、この店舗が「非常に貴重な存在」ということがおわかりいただけただろう。
この店限定の「コーヒーコンシェルジュカウンター」
さて、実際店舗に入ってみると、他の店舗と大きく異なる点に気が付く。レジカウンター隣にあるカウンターだ。こちらは「コーヒーコンシェルジュカウンター」と呼ばれ、このスペース限定でコーヒープレスを使って淹れたコーヒーをいただくことができる。
コーヒープレスはペーパーフィルターやネルを使わず、金属製のフィルターを使用する。コーヒーの成分がフィルターに吸収されることがないので、コーヒーの味わいがストレートに楽しめる抽出器具だ。スターバックスのバリスタも、新しい豆が入ってくるとコーヒープレスを使ってテイスティングするのだという。
コーヒーコンシェルジュカウンターは、バリスタと会話をしながら好みの豆を決めていくスペース。好みの豆が決まったら、コーヒープレスを使って抽出してもらい、味を確かめることができる。
同店のバリスタは、「レジカウンターでは、どうしてもお客様とのコミュニケーションにも時間の制約があります。コンシェルジュカウンターではじっくりとお話ができるので、お客様の好みも探っていく事ができます」と話す。
コーヒーコンシェルジュカウンターでは、23~24種類の中から豆を選ぶことができる。私も1杯いただこうとメニューを眺めつつ、バリスタに相談してみた。「まだ午前中なので、朝っぽい爽やかなコーヒーが飲みたいです」というと、「柑橘系の香りは大丈夫ですか」と聞かれる。「あ、爽やかなので好きですよ」と答えるとすすめられたのが「ブレックファーストブレンド」(コーヒープレスサービスの場合は400円)。ラテンアメリカ産の豆をブレンドしており、軽いコクとレモンを思わせるほのかな酸味が特徴とのことだった。