日本貸金業協会は25日、「資金需要者等の現状と動向に関するアンケート調査」の分析結果を公表した。同調査は、一般の消費者、借入経験のある消費者、経営者・個人事業主を対象に実施されたもの。

同社の消費者に対する調査によると、借入を申し込んだ人のうち、「希望通りに借入できた」と回答したのはおよそ6割。残りの4割は「希望通りの借入ができなかった」「最終的に借入を断られた」と回答している。

また、借入利用者のうち、およそ44%が総量規制に抵触しているとのこと。総量規制は、返済能力を超える貸付(具体的には、総借入残高が借り手の年収の3分の1を超える貸付)を禁止するもので、同規制に抵触すると、借入高が年収等の3分の1未満になるまで新たな借入ができなくなる。新たな借入ができなくなった場合の消費者の行動としては、「生活費を切り詰める」(47%)、「アルバイト等により収入を増やす」(18%)等の回答が上位を占めたが、一方で、約2%が「ヤミ金融等非正規業者から借りる」と答えている。

現在返済残高のある借入利用者の12%がヤミ金融の利用経験があり、うち3%が現在もヤミ金融被害にあっているという。主な資金使途は、「生活費の補てん」(32%)、「事業資金の補てん」(15%)、「その他借入金返済への充当」(14%)などで、利用理由は「緊急にお金が必要になった」が53%、「正規の貸金業者がどこも貸付を行ってくれなかったから」が39%と、借入を望む消費者の厳しい現状が浮き彫りとなる結果となった。

経営者・個人事業主に対する調査では、「希望通りに借入できた」のは5割、「希望通りの借入ができなかった」「最終的に借入を断られた」が5割と、消費者調査結果と比べて厳しい結果に。また、返済残高のある経営者・個人事業主の約11%がヤミ金融を利用したことがあり、うち4%が現在もヤミ金融被害にあっているという。利用したヤミ金融の数は、「1社」が58%、「複数(社)」42%で、「5社以上」という回答も7%あった。

同調査では、正規の貸金業者による融資先の選別が進んでいるらしいことも判っており、同社は、「消費者の借入が一段と厳しい環境に変化している」と分析している。