北条鉄道(兵庫・加西)は8日深夜から9日にかけて、三木鉄道のミキ300形ディーゼルカーを搬入した。同車両は今年3月に運行を終了した三木鉄道から購入した。北条鉄道では整備と試運転を実施した上で、来年春から営業運行を開始するという。塗装は変更せず、当面は三木鉄道で活躍した姿で走らせるとのこと。

(左)トレーラーに乗せられて約20kmを移動(右)田原駅でクレーンにつり上げられる車体

同車両は車体部と車輪部に分けられてトレーラーに搭載され、三木鉄道の保管場所から20kmほど離れた北条鉄道の田原駅に運ばれた。田原駅では、まず車輪部をレールに載せ、続いて車輪部の上に車体部を接続した。その後、同車両は前後に北条鉄道のフラワ2000形を連結し、車庫のある北条町駅へ回送された。同駅には3:20に到着し、搬入作業を終了したとのこと。

線路上に車体が下ろされる

北条鉄道のフラワ2000形と連結

ミキ300形は富士重工業が製造したディーゼルカーで、三木鉄道向けに1998年から2002年までに3両が製造されたという。北条鉄道に搬入されたミキ300形104号は1999年に製造された車両とのこと。北条鉄道で使用されているフラワ2000形も富士重工業製で、車体の基本設計はミキ300形と共通しているという。

三木鉄道と北条鉄道はいわば"兄弟路線"だという。ともに民間企業の播州鉄道が大正時代に開業させた路線で、播丹鉄道に譲渡された後に国有化された。しかし赤字路線のため廃止対象となり、1985年にそれぞれが第三セクターとして再出発したとのこと。その後、三木鉄道は経営赤字を理由として今年春に廃止された。三木鉄道に在籍していたミキ300形は、北条鉄道、樽見鉄道に1両ずつ譲渡され、残った1両は三木市に保存されるという。

北条町駅に到着

留置線に停車中のミキ300形

(写真提供はすべて加西市)