サントリーはこのほど、来春に予定していた清涼飲料の値上げを見送る方針を固めた。要因としては、景気後退による消費傾向の落ち込みが挙げられる。
もともと同社では、砂糖や容器などの原材料コストの高騰をうけて、2009年度には約100億円のコスト増を見込んでいた。そのため来春に向けて、自動販売機製品を中心とした一部商品を10円値上げする方向で動いていた。
だが、世界的な金融危機、企業の倒産や失業者の増加など消費者を取り巻く状況は急速に悪化。財布のヒモが固くなる消費者の動向を踏まえ、同社が現段階の値上げは消費者の商品離れを引き起こすと判断したと推測される。
業界大手の同社が値上げ見送りを決定したことで今後、ほかの企業にも大きな影響を与えると考えられる。業界全体として、企業努力によりどこまでコストを抑えられるかが大きな課題となりそうだ。