日産自動車は1日、スポーツカー「フェアレディZ」をフルモデルチェンジし全国で発売を開始した。価格は362万2,500円から446万2,500円。

軽量化した新型「フェアレディZ」

新型「フェアレディZ」は、初代S30型の誕生(1969年)から約40年、先代Z33型「Z」の誕生から6年の時を経てフルモデルチェンジを果たしたモデル。今回のZ34型のコンセプトは「ジャンプ」で、大幅な軽量化とショートホイールベース化とVQ37VHRエンジン搭載による世界トップレベルの運動性能、鍛え上げられたアスリートのようなしなやかでダイナミックなデザイン、優れた性能・デザイン・上質感を実感できるハイバリューを実現させた。

ボディカラーには、新色のプレミアムルマンブルー、プレミアムアルティメイトイエロー、ブリリアントホワイトパールを加えた全8色が用意される

エクステリアは、大地を力強く蹴るようなイメージを連想させるダイナミックなボディデザインとし、駆動輪を強く感じさせる張り出し量のあるリヤフェンダー、書道の「とめ、はね、はらい」を連想させる引き締め効果をねらったブーメランモーションのヘッドランプ・リヤコンビネーションランプなどを採用した。また、エンブレム一体型サイドターンランプなどの運転する気持ちを高める装備も充実させた。新たに19インチのホイールおよびタイヤを採用し、ハードな走行状況で操縦安定性を向上させるため、空気容量の大きいタイヤを設定した。

ドライバーとの一体感を追求したコックピット

多層化により視認性を向上したメーター

エンジンの出力向上によりパワーウェイトレシオを高めている

インテリアは、ドライバーとの一体感を追求したコックピットをイメージさせるつくりで、運転席まわりには、多層化して視認性を向上させたメーターや、柔らかいタッチを追求した新合成皮革「ソフィレス」にダブルステッチを施したセンタークラスターパネル、代々伝わる三連サブメーター(時計、電圧計、油温計)などが装備される。デザイン面では、色味や質感においては統一性を持たせることで全体の雰囲気を向上し、手に触れる部分は時間をかけて作り込むことで、上質な空間を実現。VQ37VHRエンジンのパワーを後輪に伝えるトランスミッションはシンクロレブコントロール付6MT、マニュアルモード付7速ATの2種類から選択可能となっている。

東京タワーのイルミネーションをバックにした、新型「フェアレディZ」誕生記念イベントも開催された

デザインについて同社アソシエイト・プロダクト・チーフ・デザイナーの谷中譲治氏は「FRプロポーションであるとか、デイリーユーススポーツカーという概念を土台にし、その上にアスリートの肉体のような有機的機械感をデザインの表現として目指した。このコンセプトから生まれたデザインは、どこから見ても『Z』だが、誰も見たことのない『Z』に仕上がっている」と語る。

新型「フェアレディZ」発表会で言葉を交わす湯川伸次郎氏(右)と"Zの生みの親"片山豊氏

新型「フェアレディZ」と並ぶ湯川氏

また、新型「フェアレディZ」の開発担当である同社チーフ・プロダクト・スペシャリストの湯川伸次郎氏は、「『Z』は間違いなく日本を代表するスポーツカー。それは単に販売台数のことを指すのではない。デザイン、クオリティはもちろん、ドライバーを中心に置いて、乗りやすさや日常での使いやすさ、更には安全性や環境性能にまで、とことん情熱とこだわりが注がれているところに『Z』らしさ、日本らしさが現れていると思う。ぜひ『Made in Japan』の誇りとプライドの素晴らしさを感じていただきたい」とアピールした。