舞台「マリア・マグダレーナ来日公演『マグダラなマリア』~マリアさんのMad(Apple) Tea Party~」が、12日、初日を迎えた。同作は、カウンターテナー歌手で俳優の、湯澤幸一郎が脚本・演出を手がけるエンタテインメント。個性豊かな9人の俳優が、エネルギッシュに芝居、歌、トークを繰り広げる同作は、ミュージカルにも単純な演劇にもカテゴライズしがたい異色の作品だ。チケットの売れ行きが好評で、急遽、追加公演が決まるなど、開幕前から注目度も高かった。

伝説の美女!?"×"三枚目の取巻きたち"=オカシなお茶会?

「マリア・マグダレーナ来日公演」と銘打たれた同作の主役は、もちろんマリア・マグダレーナ。歌手で女優、さらには高級娼婦でもあるマリアは大規模な日本公演を計画しているのだが、事前の調査で彼女の日本での知名度がほぼゼロに近いことが判明する。マリアとその取り巻きたちは、日本人の心をつかむ舞台を作り上げるために日本で流行しているものを取り入れようと情報収集に励むが、どれもこれもどこかずれていて!? はたして、マリアの日本公演は成功するのだろうか──。

当年130歳(!)という設定のマリアの耽美でエロティックな世界観を表現した美術や衣裳にまず目を奪われる。マリアの仲間の高級娼婦たちも妖艶で美しい。ちなみにこの作品の出演者は全員男性! なのだが、舞台が始まってしばらくすると、舞台上の"美女"たちが性別的に男性であることなどすっかり忘れてしまう。それほどに怪しく、美しく、もしかしたら本当の女性以上に女性らしいのではないかという錯覚に陥るのだ。

みんな"男"……です

小粋なギャグからベタベタなネタまで満載で、客席は終始、笑いに包まれている。客席通路も巧みに取り入れた演出も観客をわかせた。劇中で用いられるオリジナル曲の質も高く、見どころ盛りだくさん。それぞれの俳優のキャラクターが際立ち、ファンには堪えられない演出となっているだけでなく、演劇をあまりみたことのない人でもシンプルに笑え、楽しめる舞台に仕上げた。舞台からほとばしるエネルギーも心地よく、刺激的。ユーモアとエロティシズムにあふれ、見る者を束の間、非日常に誘ってくれる。

上演は、年内で廃館になることが決まっているシアターアプルにて、11月16日(日)まで。

一癖も二癖もあるキャスト陣、みんな個性豊かで面白いです

新たな刺激を受け続けられる現場じゃないかなと。これからの稽古、楽しみです!

いっぱい笑わせてもらいました

公演情報

公演名 マリア・マグダレーナ来日公演『マグダラなマリア』~マリアさんのMad (Apple) Tea Party~
公演期間 2008年11月12日(水)~16日(日)劇場シアターアプル
出演 マリア・マグダレーナ/KENN、市瀬秀和、小林健一(動物電気)、米原幸佑(RUN&GUN)、永嶋柊吾、藤原祐規、齋藤ヤスカ/津田健次郎
企画・製作 マーベラスエンターテイメント/ネルケプランニング
チケットに関する問い合わせ サンライズプロモーション東京