NHK大河ドラマ『篤姫』が27日、東京・渋谷の同局のスタジオでクランクアップを迎え、最終シーンの撮影を終えた主演・宮崎あおいが、目に涙を浮かべながらこれまでの思いを語った。

『篤姫』のクランクアップを迎え、涙する宮崎あおい

「はい、チェックオーケー! みなさんお疲れ様でした!」。ディレクターからの一声のあと、スタッフたちが宮崎に向けてクラッカーを放ち、お祝いの言葉を投げかけ、スタジオが大きな拍手に包まれた。クランクアップをお祝いし、北大路欣也や高橋由美子、徳川家定役・堺雅人らがスタジオに駆けつけた。

収録終了直後から、宮崎は涙を浮かべて最後のシーン、49歳の篤姫のモニターをチェックしていた。目を真っ赤にした宮崎は「ボロボロでごめんなさい。みなさんありがとうございました。みなさんの支えあって、今日、この日を迎えることができました。1年と2カ月、10代から始まり、49歳まで、こんな素敵な恵まれた環境の中でお仕事できたこと、本当に幸せ者だと思います。22歳の私を大河の主役にしてくださったこともありがたく思います。このようなすばらしい役者さんの中で、お芝居ができて、至らぬこともありましたし、いろいろ反省することもあったし、とてもいい経験になりました」と力強く語った。

駆けつけた堺を見て思わずしゃがみ込んで号泣する宮崎(写真左)

宮崎は、駆けつけてくれた堺の姿を見て、床にしゃがみ込んで泣き崩れた。そんな宮崎を見て堺は「いろいろなあおいちゃんの姿を見て、かわいいなとか、しっかりしてるなとか、負けず嫌いだなとか見ていて、その顔を見ながら思いもしなかった夫婦を演じられた。嘘じゃないひとつひとつのお芝居をできたなと思います。で、今こう見ても、本当にキレイだなって(笑)」と明るさを振る舞うコメントを残した。

そして、これまで共に演じてきた堺への想いを宮崎は「堺さんがいたから徳川の女となることができました。堺さんがいなければここまでの強い意志というのは表せなかったと思うぐらい。(役では死んでしまったが)生きていてくれてるだけで、うれしいです(笑)。1年やってみて、自然に感情が動くようになってくるので、堺さんを好きと書いてあるから好きというわけではなく、私自身が彼を好きになるから、どんどんお芝居もうまくなっていくというか。本当に大好きでした」と感謝の意を表していた。

最後は笑顔に戻った宮崎と共演者らで記念撮影

大河ドラマ史上、最年少での主役という重圧を乗り越え、この日、見事に演じきった宮崎。少しずつ感情の高ぶりが落ち着いてきて、カメラに向かってVサイン。その顔に、22歳の素の宮崎がチラリと見えた。彼女の夫・高岡蒼甫からは「1年間おつかれさまでした」というメールをもらっていたという。