東京国際フォーラムで22日、映画『容疑者Xの献身』の完成披露イベントが行われ、記者会見と舞台挨拶が開催された。1,500名以上を収容するホールで行われた舞台挨拶では、開始と同時に5メートルの巨大映画ロゴが登場し、場内は迫力に圧倒された。

大きな音で映画のテーマ曲が流れる中、開始後間もなくロゴが90度回転すると、レッドカーペットが敷かれた階段のセットが正面を向く形に。それに続いて司会者に名前を呼ばれながら、主演の福山雅治をはじめ、柴咲コウ、堤真一、松雪泰子、品川祐、西谷弘監督らが階段の上から舞台に現れた。

セットの巨大ロゴの前に並ぶ、左から、左から、品川祐、松雪泰子、福山雅治、柴咲コウ、堤真一、西谷弘監督

観客から特に黄色い声援を浴びた主演の福山雅治は「今回は20年ぶりの映画出演で、しかも初主演。現場では自分だけが映画の初心者だったので、プレッシャーをかなり感じながら戦った撮影時間だった。今日も初の映画舞台挨拶なので緊張している」と明かした。

刑事役を務めた柴咲コウと容疑者役を務めた松雪泰子は、東野圭吾による同名原作のファンであると告白し、「原作と同じくらい重みと厚みのある映画になっていると思います」(柴咲)、「ヘビーな役柄で大変でしたが、参加できてとても幸せでした」(松雪)とそれぞれ話した。

記者会見での福山雅治と柴咲コウ。ドラマ版に引き続き、映画でもナイスコンビを演じた

「撮影中には、役に入り込みすぎて夢の中でも恐怖心に襲われた」と話した松雪

今回、福山演じる湯川と対決する役を演じた堤は、「現場では福山君の役作りの邪魔をするくらいの勢いで(福山に)話しかけていたと思います」と、撮影現場を楽しそうに振り返った。これに対し福山は「最初、この人は俺をつぶそうとしているのかと思った」と笑いながらコメントした。

「出番は15秒しかありません。見逃さないで下さい」と話したのは、お笑いタレントの品川祐。9月29日から4夜連続で放送される映画のスピンオフドラマでは、本編以上に活躍する予定だ。

巨大ロゴが回転すると、階段が現れた。キャストらはこの階段を使って舞台に登場した

『容疑者Xの献身』は、昨年10月からフジテレビ系列で放送された月9ドラマ『ガリレオ』の劇場版。また、原作の同名小説は2005年に直木賞を受賞している。ドラマ版・映画版ともに監督を務めた西谷氏は「ドラマのファンも、原作のファンも、両方大事にするバランスを大切にした」と話し、また、「"ヒットドラマの映画化=ドラマのスペシャル版"という図式をもっと発展させたかった。ドラマの延長線上に観られる映画だが、独立した作品としても楽しんでいただけると思う」と、仕上がりに自信を見せた。

『容疑者Xの献身』は、10月4日より全国東宝系でロードショー。「見ごたえのある大人のエンターテイメントを楽しんでもらいたい」福山がそう締めくくると、舞台から客席に向かって赤いテープが放たれ、客席は再び大きな興奮に包まれた。