南海電気鉄道は2009年春の完成を目指し、高野線の橋本 - 極楽橋間に導入する「観光列車」を製作中だ(ただし、運行開始日は未定)。同社はこの車両を指定席車両として運行するとのこと。既存車両による自由席車2両と連結し、1日1往復から2往復、所要時間は片道約40分を予定しているという。
同社によると、この観光列車は「俗世間から精神世界へと"Change of mode"できる乗り物」がコンセプト。世界遺産の高野山へ向かう列車の旅を「日常世界から高野山の自然・精神世界への移行の過程」と捉えたという。2200系電車を改造し、大手私鉄で唯一という「展望デッキスペース」を設けているのも注目点といえよう。車体色は深緑で、側面に大型の窓を採用し、その窓に向かって座る「ワンビュー座席」や4人掛けの「コンパートメント座席」を設置する。これらの席からは、高野線の山岳区間で北側と西側に広がる紀の川や不動谷川、険しい山間の風景を見渡すことができるとのことだ。さらに、高野山方面行きの先頭車、極楽橋駅側の車両には「イベントスペース」を設置。ミニイベント実施も可能となっているという。
なお、同社ではこの観光列車の愛称を募集している。「急勾配・急曲線の山間を縫いながら森林の中を走行して世界遺産・高野山へ向かう観光列車にふさわしく、分かりやすいもの」(同社)とし、8文字以内とのこと。応募の詳細はこちら。