オンライン旅行会社Expediaとエクスペディアジャパンはこのほど、有給休暇に関する調査を日本と欧米の主要8カ国で実施し、その結果を発表した。調査によると日本人の有給休暇の平均取得日数は8日。これは調査をした国のうちで最低の数字だった。

今回の調査は欧州と米国では3月に、日本では7月から8月にかけてインターネットにより実施されたもので、9カ国の仕事を持つ男女5,837人が回答した。

調査によると、日本人が1年間に取得できる有給休暇の平均日数は16日。これは最も多く付与されるフランスの37日に比べると半分以下で、アメリカの15日に次いで2番目に少ない日数だった。その他の国の平均日数は、イタリア33日、オーストラリアとオランダ28日、イギリス26日など1カ月前後となっている。日本と同じく勤勉な国民性で知られるドイツも平均27日の休暇が用意されている。

有給所得の平均付与日数 「エクスペディア・レポート/国際有給休暇比較2008」より

日本人が1年間で実際に取得した有給休暇日数の「8日」は、取得できる日数のちょうど半分。35日も取得するフランスに比べるとなんと4分の1以下という結果になった。有給休暇の付与日数では最下位だったアメリカは、平均13日を取得。他の国も含めて欧米諸国では付与日数の枠を目一杯使っているのに対し、日本人は控えめにしか有給休暇を利用していないという現状が浮き彫りになった。

平均付与日数のうちの平均取得日数 「エクスペディア・レポート/国際有給休暇比較2008」より

日本人が有給休暇をあまり取得できていない理由としては、40%の人が「仕事が忙しく休暇をとっている暇がない」と回答。次いで「もしもの病気や急用などのために、休暇を残しておきたいから」(34%)、「上司や同僚があまり休暇を取っていないため、取りづらい雰囲気だから」(24%)などと続いた。「特に休暇をとる必要を感じない」(20%)という、いかにも仕事人間らしい回答も挙げられた。

有給休暇をすべて取得できない理由(複数回答) 「エクスペディア・レポート/国際有給休暇比較2008」より

どうすれば有給休暇をもっと取得できるかについては、「経営者や上司がもっと有給休暇をとることを奨励してくれれば」(46%)との回答が最も多かった。一方で、「自分がとろうと思えばとれる」(42%)との答えも2番目に多く、休むことに対して後ろめたさを感じてしまう日本人の気質自体が休暇取得の障害となっていることもうかがわせた。

1週間程度の有給休暇でやってみたいこととしては、51%の人が「1~3泊程度の国内旅行」を挙げ、「4泊以上の海外旅行」(29%)、「温泉」(29%)が続いた。また、ヨーロッパ並みの3~4週間の長期有給休暇がとれた場合にしたいことでは「4泊以上の海外旅行」が55%でトップに挙がり、「4泊以上の国内旅行」(35%)、「1~3泊程度の国内旅行」(20%)と続いた。