昨年8月の米サブプライムローン破綻ショックから約1年。相変わらず、日本株は先行き不透明、米国株をはじめとする先進国株はもちろん、中国やインドなど期待の新興国株の動きもさえないままです。こんなときは、あえて投資をせずに、お金を寝かせておくのもひとつの投資テクです。

ただし、そのまま普通預金に眠らせておくのはもったいない話です。一番オススメなのはネット定期に預けること。今なら、住信SBIネット銀行なら1年定期で1%のキャンペーン金利を実施しています。100万円預けて、1年後に101万円(税込)なのは悪くない選択肢です。しかし、いくらなんでも1年寝かせておくのは長すぎるという人も多いでしょう。

もちろん、証券会社のMMF(公社債や短期金融商品で運用される追加型公社債投資信託)という選択肢もあります。入金して1カ月たてばいつでも手数料0で引き出せますから、流動性の面では文句なしです。しかも、実績利回りは0.5%台とネット定期1年にはかなわないものの、そこそこの収益は得られます。

ただし、MMFは元本保証ではありません。期間半年程度の債券を中心に運用していますから、安全性は高いですが、過去にも金融危機が起きたときなどに元本割れしています。今も、サブプライムローン問題の影響がジワジワと大きくなっているときですから、どこに地雷が隠れているかわかりません。そういう意味では、絶対安全とはいえないのです。

その点、証券会社のMRF(証券総合口座用に導入された投資信託)は、入金した翌日から引き出し可能ですし、安全性もかなり高いといえます。ただし、その分、金利は現在でも0.3%台が主流で、普通預金と同じくらいか、少し高めという程度です。

そこで、新たな資金プール場所として注目したいのが、ネット銀行の普通預金です。普通預金ですから、預け入れたその日から引き出し可能。元本も保証ですから、安全面でもいうことはありません。しかも、金利面でもネット銀行の普通預金なら、ソニー銀行0.3%、ジャパンネット銀行0.3%、住信SBIネット銀行0.35%と店舗型銀行の1.5倍以上。ジャパンネット銀行と住信SBIネット銀行は段階制金利になっており、100万円以上預け入れの場合、ジャパンネット銀行が0.35%、住信SBIネット銀行が0.4%とまさにMRF並みの金利となっています。

また、大注目なのが住信SBIネット銀行のハイブリット預金(普通預金)です。これは、SBI証券の証券口座との連携サービスが売り物。SBI証券での証券売買資金が自動的にこの口座から入出金されるうえ、普通預金口座でありながらSBI証券の証券買付余力に反映されるという優れもの。そのうえ、金利も0.45%と流動性、安全性を加味するとかなりうれしい数字になっています。

ネット銀行の預金というと、ネット定期に注目が集まっていますが、実は普通預金も隠れたお得商品。家計の余剰金のプール口座に、使う目的が決まっている積立に、そして投資資金のプール口座としても使い勝手大といえるでしょう。

酒井富士子

経済ジャーナリスト。 回遊舎代表取締役。
上智大学卒。日経ホーム出版社入社。「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルート入社。「あるじゃん」「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から現職。近著に「FPになろう」「定年手続きダンドリスケジュール」(インデックスコミュニケーション)「編集長の情報術」(生活情報センター)。二児の母。目黒区立東山小学校にて2004年よりサマースクール講師を担当。金融教育を5日間にわたって講義している