日産自動車は、ドイツのニュルブルクリンクサーキット北コースにおいて、燃料電池車「X-TRAIL FCV」が燃料電池車としては最速のラップタイムを記録したと発表した。北コースは1周20.8キロ、ラップ計測時のサーキットコンディションは全面ウェットで、タイムは11分58秒となった。
「X-TRAIL FCV」をドライブしたのは、日産250Z(日本名:フェアレディZ)で2008年のニュルブルクリンク24時間レースに出場したレーシングドライバーのフランク・アイクホルト。アイクホルトは、リリース中で「FCVを運転するのはこんなに快適だとは思わなかった。いくつかのアップヒルセクションには難しい部分もあったが、速度は十分に速かった。コースが濡れていなければ、30秒から40秒は更に短縮できたと思う」と述べている。なお、同サーキットを走行したほかの燃料電池車の数や、ラップタイムなどは明らかにされていない。
X-TRAIL FCVは、350気圧の高圧タンクに水素を搭載、酸素との化学反応により電気を取り出す燃料電池車で、2006年から米国カリフォルニア州で実証実験が行われている。最高出力は90kW(120PS)、最大トルクは280Nm、速度は150km/h、航続距離は500km。同社では、燃料電池車の信頼性向上の開発を続けており、水素貯蔵システムとコスト低減についての研究が進められている。同社では、FCVの生産を2015年までには開始したいとしている。