続いてサーキットで行われたのは、高さと華麗さで勝負のフリースタイルモトクロス。計5名の選手が参加し、午前中1回、午後2回と唯一の3回開催となった。FMXはジャンプ台を使用して宙を舞い、その間にライダー単体もしくはバイクごと、さまざまなトリックを決める(ポーズを採ること)という、ショー的な内容だ。ショーといっても、バイクの最高到達点は、おそらく10メートル前後になると思われ、空中で姿勢を乱したり着地を少しでも間違えたりすれば死亡事故も起こり得る、華麗さの裏に危険性をはらんだスリルのある点が特徴だ。そのため、驚異的なテクニックに対し、来場者からはこの日一番といえる歓声が何度も上がっていた。ちなみに、ただ普通に宙を舞うだけでも歓声ものだが、中にはバイクごと後方宙返りを行うトリック「バックフリップ」まで繰り出す選手がいる。今回はそれを決められる選手が2名参加しており、単独で決めるだけでなく、選手が連続して飛ぶ「トレイン」で2選手連続のバックフリップも実現。大歓声が巻き起こっていた。
そして東京初披露となったのが、レーシングサイドカー。この日はデモ走行が2回行われた。サイドカーが備わっている以外にも、市販車や一般的なレースマシンとは比較にならないほどバイクの車高が低い点も特徴だ。サイドカーには、パッセンジャーと呼ばれる選手が乗る。このパッセンジャーが、コーナーのイン側に落下しかねないほど身体を乗り出し、重心を移動させることでコーナリングしていくという、モーターサイクル版二人三脚といった趣のレースである。今回の特設サーキットのようにコーナー間が短いショートコースの場合は、パッセンジャーの動きが特に重要で、まさに右に左に大忙し。一歩間違うと、ヘルメットが路面をこすったり、どこかにぶつけたりするのではないかというという、緊張感をはらんだ光景となる。出走は、大型のF1クラス2台とF2クラス1台の計3台がまず出走。その後に、入門的なカテゴリーでもある、日本独自のF4クラス用の小型車2台が出走。F4クラスは車体下面の地上高が3センチという地面スレスレで、ライダーの体感速度は、時速300km/hぐらいにまでに至るそうである。
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フリースタイルモトクロスでは、この高さを飛ぶ。おそらく10メートル前後はあるはず |
一歩間違えれば大事故間違いなしのトリックを次々と決めていく選手たち |
フジテレビ社屋をバックに、バックフリップを決めているところ |
ドラッグレースは真打ちということで、登場したのは午後になってから。同競技発祥の地であるアメリカの統括団体NHRAと提携している、BERCが日本国内では選手権を開催しており、実際にランキング争いを繰り広げている選手たちが登場し、2回デモ走行が行われた。競技内容は、4分の1マイル(約400メートル)の直線を2台が走って、どちらが速いかを勝負するというシンプルなもの。どちらかというと4輪競技のイメージが強いかも知れないが、プロストックバイクなど、2輪部門のカテゴリーも充実している。今回は、選手権の参加者以外にも、エキシビション用のターボ搭載ハイパワードラッグバイク「FUNNY BIKE」なども登場した。残念だったのは、試乗会エリアを使ってもせいぜい200メートルほどの直線距離しか取れず、全開走行は一瞬のみ(減速距離もかなり必要とするため)。実際の選手権では、バイクでも最高で時速300km/hに達するそうである。また、小・中学生ドライバー(8~15歳)の乗る4輪部門「JR.ドラッグスター」(4輪最高峰カテゴリーの「トップフューエル」の小型版)も3台が出走。10歳に満たない女の子ふたりと男の子ひとりが、大人顔負けの度胸とテクニックを見せつけていた。
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非常に重心の低い特殊な形状をしているのがレーシングサイドカーの特徴 |
イン側に重心をかけるため、パッセンジャーが落車しそうなほど身を乗り出している |
日本オリジナルのF4クラスのサイドカーはさらに地上高が低く、たったの3センチ |
また、往年のレーシングバイクのデモ走行では、「BS90 ES-I(改レーサー)」(1964年:日本)や「ヤマハ650 XS-1」(1970年)、「ヤマハ TA125(改レーサー)」(1971年)、「モト・グッチ ルマンII」(1985年:イタリア)などが走行。中には60代、70代というオーナー自らがまたがり、その走りを披露した。
トライアル&スタントライドエリアで行われたトライアルデモンストレーションは、2名のライダーが数々のテクニックを披露。インドアトライアルの競技でよく見かける、1メートルはあろうかというほぼ垂直な段差を一気に駆け上がったり、1段が50cmはあると思われる階段を登り降りしたり、頂上が数メートルの高さにある急斜面を駆け上がってのエアターン(空中でターンを行うトリック)を決めたりするなど、FMXとはまた異なる驚愕のテクニックを華麗に決めていた。
そして、KADOYAのメンバーによって行われたのが、スタントライドだ。600ccのオンロードタイプの重量級バイクを使用した曲芸の数々が披露された。完全に垂直になるウィリーを筆頭に、その垂直ウィリーのままその場でくるくる回ったり、低速走行中のバイクの上に立ち上がったりと、まるで手足のようにバイクを操る様子を披露し、来場者から拍手喝采を浴びていた。
ライダーやバイク好き、モータースポーツファン以外でも十二分に楽しめる内容だった今回のイベント。10月の本番では、さらに楽しめるのは間違いないので、ぜひ大勢の方に三宅島へ「バイクのお祭り」ということで渡ってもらいたいところである。ちなみに今年4月からは同島への空の便も復活しており、より渡りやすくなっている。今からスケジュールに入れておいてはいかがだろうか。