たばこの自動販売機利用のための成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の自動販売機への吊り下げが相次いで発覚した件について、タスポの発行元である日本たばこ協会は遺憾の意を表し「監視を一層、強化する」としていた。9日現在、「新たな(タスポ吊り下げの)報告はない」(日本たばこ協会)と、協会の意は浸透しつつあるようだ。

タスポはカード表面に記載された本人のみが利用できるICカード。他人への譲渡/貸与は禁じられている。

日本たばこ協会によれば、5月末現在、全国にあるたばこ自動販売機438,000台のうち、95%に相当する416,000台がタスポ対応のものに切り替えを終了しているという。今回の事件発覚の前段から、たばこ自動販売機の設置に関わった各メーカーの営業員を通じて、タスポの吊り下げはしないように要請。今後もその伝達方式で指導を徹底していくという。

タスポの吊り下げが発覚した場合はカード回収も検討するが、「今のところそのような事態には至っていない」(日本たばこ協会)という。

また、日本たばこ協会はタスポの導入の経緯について次のように話した。「2001年からプロジェクトをスタートさせ、さまざまな検討を重ねてきた。たばこ購入者が成人であることを確認するために免許証や生態認証方式など、さまざまな検討がされてきたが、議論の結果、ICカード導入が最善だという結論に達した。現在もその考えに変わりはなく、日本たばこ協会としては成人認証のためのツールはタスポ以外に考えていない」という。