カブドットコム証券は30日、信用取引のリスク管理機能拡充の一環として、「預かり資産状況」や「未決済玉」を精緻に把握した上で決済代金算出を行える決算仕様へ変更を行った。これにより、これまで夜間処理の間のみとされていた差替預託決済が、必要保証金の維持が可能であれば常に行えるようになったという。

同社の信用取引ではこれまで、代用買付を行なった際、受渡日までに買付株の株価の下落や評価損増加などで維持率が低下し、受渡日到来時に買付代金の決済ができなかった場合には、現物買付代金全額を入金する必要があった。しかし、今回の決済仕様の変更以降は、決済を行なった場合の保証金余力を予めシミュレーションし、決済に必要な最小金額の計算および表示が可能になったという。これにより、これまで差替預託決済が受渡時の一度で、その他は通常決済のみとされていたケースでも、常に差替預託決済と通常決済の両方を試みることができるとしている。

また今回、現金の入出金や新規建て・返済による建玉可能金額や出金可能金額などの変化を視覚的にわかりやすくシミュレーションするツール「保証金シミュレーター」に、「現物株式シミュレーション」機能が追加。同機能は、信用取引口座において、現物株を取引した場合の建玉可能額、代用買付可能額、保護買付可能額、引出可能額、必要入金額をシミュレートできるもの。その他、品受け・品渡しのシミュレーションも行えるようになったとしている。