電通はこのほど、第1回「子育てに関する調査2008」の結果を発表した。今回の調査では父親としての子育ての能力“パパ力”(パパヂカラ)が、団塊ジュニア層を中心とする30代父親が40代よりも高く、妻からの一定の評価を受けていることが浮き彫りになった。

同社では社内横断プロジェクトとして「ジセダイ育成委員会」が、「将来の日本を担う子どもたちが、のびのびと大きく育つ環境づくりに寄与したい」という考えに基づき立ち上がった。その第一弾として2008年3月29、30日に同調査を実施。調査は東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の1都3県で、第1子が0~12歳の子どもを持つ25~44歳の男女(妊娠中を含む)1,000人を対象に行った。特に団塊ジュニア層を中心とする30代が子育て層に入り、父親の意識や行動が変わってきていることなどに着目した。

「パパ力」とは、今回の調査で「父親として子育てに前向きに取り組み、自分で対処していこうとする能力や意気込み」と定義。その「パパ力」について夫による自己採点では全体平均で57.8点だったのに対し、妻の採点では64点と上回った。

具体的に父親なって変わったこととして夫は、「他人の子どもにも目が向くようになったこと」(47.0%)や「家族写真を撮ることが増えた」(39.6%)、「夫婦の絆や信頼が強まった」(35.4%)、「食育や食の安全性に対する興味が高まった」(34.8%)、「誕生日や結婚記念日など記念日を家で祝うことが増えた」(32.0%)、「子どもの祖父母との行き来が増えた」(29.6%)などの「パパ力」を回答。妻の評価が高い「パパ力」は、"夫力"の向上という相乗効果にも結びついているようだ。

まさに父親となる瞬間である夫の出産立会い率は49.8%で、30代前半で58.5%、30代後半は48.4%、40代前半は44.6%という結果となった。父親となった後、夫が担っている具体的な家事・育児は「ごみだし」が55.4%、「風呂掃除」が41.3%、「休日の子どもの食事の世話」が35.2%。特に育児については「休日の子どもの風呂入れ」が63.2%、「子どもを散歩に連れて行く」が55.9%などと挙げられた。最近盛り上がっている男性の育児休暇取得については、効果として夫は「妻のストレスが軽減されること」(68.2%)を期待しているよう。上記のような妻の家事・育児軽減の手助けをすることによって、ストレスの軽減にも役立とうとしている。

一方で、「親になることの実感」は、夫は「子供が生まれた時」41.6%と、妻は「妊娠期間中」58.0%に対して夫婦でズレが生じている。「パパ力」が発揮されるのは、実際に子どもが自分の目の前に現れてからのようだ。

その他の調査結果は電通の「第1回『子育てに関する調査2008』」にて掲載されている。