ペットボトルではなく"マイボトル"、紙カップではなく"マイマグ"で飲み物を携帯するスタイルが広がりつつある。国内メーカーがまほうびんの売り上げを伸ばしているほか、環境省は、3月25日に閣議決定された「第2次循環型社会形成推進基本計画」の中で、「『もったいない』の考え方に即したライフスタイルの定着」を目指すとしている。4月1日には、2008~2012年の温暖化ガスの平均排出量を1990年比で6%削減する「京都議定書第一約束期間」がスタートし、世の中のベクトルは明らかに、「無駄を省く」方向に向かっている。そこでこの記事では、社会全体を包む"エコムード"に呼応して、デザインや使い勝手に工夫をこらした商品が充実してきた飲料携帯用ボトルを一挙に紹介。「まだペットボトル捨ててるの! ? 」なんて言われる前に、賢く選んで心地よいマイマグ・マイボトル生活を始めよう!

マグタイプのステンレスボトルが売り上げ3倍増

象印マホービンやタイガー魔法瓶などの国内メーカーが加盟しているステンレス製まほうびん協議会の調べによると、2007年(1月~12月)のステンレス製まほうびんの出荷数は2003年の529万本から5年間で約70%も伸び、898万本だったという。2006年(687万本)と比べても30%の伸びとなっている。象印マホービン広報担当者は「弊社のマグタイプボトルに限っていえば、2007年には2006年に比べて約3倍売れました。従来の主力商品である子供向けタイプや、中高年に人気のあるスリムなコップ付きタイプは、安定した売り上げをキープしているので、売り上げ増はこれまで水筒を使っていなかった層が使い始めた結果だと考えられます」と語る。買っているのは、20代から30代の学生・社会人で主に女性。オフィスや学校での休憩時、食事のシーンでの使用が多いとのことだ。「飲み物をおいしく感じられる温度で飲める上に、結露で書類が濡れることもなく、ゴミも出ない。そういったメリットに気づいた方に使っていただけているのでは」と、ブームを分析する。

シーンに合わせて使い分けるのがスマート

象印マホービンやタイガー魔法瓶はステンレス製ボトルを扱っており、中栓がなくふたをあけてボトルに直接口をつけて飲むタイプを「マグタイプ」と呼んでいるが、同じステンレス製でも飲み口が工夫されたタイプも発売されているほか、ボトルというよりはマグに近いタイプ、アルミやポリカーボネート素材のボトルを扱うメーカーもあり、「マイマグ・マイボトル」にも色々ある。そこで、東急ハンズ渋谷店にお邪魔し、シーンに合わせた使い分けや売れ筋商品についてお話を伺った。

東急ハンズ渋谷店 キッチンコーナー(3月28日時点)