携帯電話に関する調査を行う「モバイルリサーチ」を展開するネットエイジアは26日、13歳~17歳の中学生・高校生を対象にした「携帯電話フィルタリングサービス調査」の結果を発表した。同調査によると、中高生の約7割が携帯フィルタリングを望んでいないことが分かった。

携帯電話のフィルタリングについては、携帯ソリューションの開発を行っているIMJモバイルが、保護者と15~18歳の生徒を対象に行った調査結果を18日に発表。それによると、93%の保護者がフィルタリングサービスが必要と回答。また、携帯サイトのどのジャンルを規制すべきかについての質問では、「同性愛」「SNS」「ブログ」に関して、多くの保護者が規制するべきとする一方、生徒側は規制は必要ないとする意見が多いことなどが分かった。

今回のネットエイジアの調査は、調査対象を13歳~17歳と中学校低学年にまで広げ、有害サイトへのアクセス状況などについて、今月21日から22日にかけ、携帯電話によるインターネットリサーチで394人を対象に行った。

同調査によると、「携帯電話を利用する中で、ネットで知り合った人から嫌な思いや怖い思いをしたことがあるか」との問いに対し、26.1%が「ある」と回答。その内容について自由回答で聞いたところ、架空請求や迷惑メールのほか、「一般のサイトに登録していたが出会い系サイトにも勝手に登録されていた」「サイトを通したメールのやり取りだったのに、個人アドレスに直接メールしたいとしつこく迫られた」などの回答があった。

また、有害サイトへのアクセス状況については、約3割にあたる27.7%の中高生が「アダルトサイト」に、約1割にあたる10.2%が「出会い系・援助交際サイト」にアクセスした経験があると答えた。さらに、9.9%が「グロテスク・暴力」、7.1%が学校裏サイトなどの「いじめ」、3.8%が「自殺」などの各サイトにアクセスしたことがあることが分かり、有害サイトがかなりの割合で中高生に浸透していることが分かった。

一方、IMJモバイルの調査からも分かるように、保護者のほとんどはフィルタリングサービスが必要と感じている。この点に関し、ネットエイジアの調査では、中高生に対し、「実際に自分の携帯電話にフィルタリングをかけられたらどうするか」について質問。これに対しては、半数を超える51.8%が「親に頼んで解除手続きをしてもらう」と回答、親がフィルタリングをかけても、生徒の側が反発する可能性が高いことが分かった。

また、約16.8%が「解除手続きをしてもらいたいががまんする」と回答、「解除手続きをしてもらう」と合わせて約7割の中高生が、携帯フィルタリングサービスを望んでいないことが分かった。こうした調査結果や、IMJモバイルの調査で「同性愛」「SNS」「ブログ」を規制すべきでないとする生徒が多かったことを考慮すると、フィルタリングに関する保護者と生徒との意識の差は相当程度大きく、今後の議論の大きなテーマとなることが予想される。