男の子なら、車・鉄道・船・飛行機などの乗り物に大きな興味を抱く時期が、だれしもあるもの。特に最近の子どもたちは、鉄道といえば、絵本やテレビの『機関車トーマス』に始まって、ゲームの『電車でGO!』や『桃太郎電鉄』に至るまで、いつの間にか鉄道の世界へと深く入っていくきっかけも多種多様となっている。

とはいえ、そのさらに前の世代の子どもたちの間では、Nゲージ鉄道模型がブームを呼んだ時代があった。ブルートレインを中心に、好きな車両をそろえている子どもたちも多く、広い部屋に線路をつなぎ、リアルなジオラマセットの中をコントローラで思いのままに列車を走らせる……そんな夢を抱きながら育った大人も多いに違いない。

こうして時代が移り変わる中、かつての鉄道ファンのみならず、これから鉄道の世界へと足を踏み入れる子どもたち、さらには今まで鉄道への興味・関心などなかったのに、新たにその魅力を知る人たちまで、幅広い層にアピールする日本初のアミューズメント施設「ホビスタ」(ホビー・ワンダー・ステーション)が今夏オープンした。昨今の鉄道ブームにはまっている人も、まだついていけない人も、ホビスタなら、さりげなくクールに鉄道の世界を楽しめるだろう。

永遠に完成しない、夢のジオラマワールド

商業施設を中心とした街づくりで都市開発を進めるミキシングが、ホビスタの構想へ最初に着手したのは昨年になる。大阪と神戸の間に位置する尼崎市で、ショッピングモール「アミング潮江」一角の最上階スペースに、延床面積は約3,200平方メートルとなるビッグスペースを、趣味の世界にはまれるゾーンへとリニューアルする計画が立ち上がった。

ホビスタが入るアミング潮江」

先月6日にオープンしたホビスタの最大の特徴は、中央部に設置された、西日本各地のランドマークを精巧に再現する、最大140平方メートルの巨大なジオラマ(立体模型)ワールドと、その上を走る全16路線のHOゲージ鉄道模型にある。日本で広く知られたNゲージ(鉄道模型縮尺率1/150、線路幅9.0mm)ではなく、海外にて普及しているHOゲージ(鉄道模型縮尺率1/80、線路幅16.5mm)の鉄道模型を用いることで、一層リアルに壮大なスケールの鉄道の世界を実現している。

これがジオラマワールドだ!

HOゲージ(左)はNゲージ(右)よりも大きくスケールがアップする

西日本各地のランドマークが再現されている