インターネットコムは8日、電子マネーの利用状況に関する調査結果を発表した。調査は、JR東海エクスプレスリサーチの協力を受け、官公庁・地方自治体・民間企業に勤務する20代から60代の男女330人(男性87.3%、女性12.7%)を対象に実施した。有効回答率は約98%。

電子マネー利用者は約7割、最も使う場所は「電車」

電子マネーの利用状況としては、「利用している」が71.3%と7割以上を占めた。うち、利用する場所として最も多く挙げられたのが「電車」の76.6%。続いて「コンビニエンスストア」(74.0%)、「地下鉄」(55.0%)、「バス」(25.1%)、「飲食店」(24.2%)、「書店・CDショップ」(13.9%)、「食料品店」(10.8%)、「ネットショップ」(3.9%)の順となった。

「質問:あなたは現在、電子マネーを利用していますか」の結果

特に交通機関・コンビニエンスストアでは、頻繁に使用されているようだが、ネットショップでは4%に満たないという結果に。同社は、「ネットでは、同じカードでもクレジットカードが使用されているのでは」と推測している。

「質問:あなたが電子マネーを利用している場所をお答えください(複数回答可)」の結果

また、1回あたりの買い物利用金額は「1,000円以上5,000円未満」が64.9%、次いで「5,000円以上1万円未満」(14.3%)、「1,000円未満」(13.4%)と続いた。一方、「1万円以上5万円未満」は7.4%という結果になり、5万円以上という高額利用者が少ないことが推察される。

電子マネー、今後も利用したいかは「わからない」が4割

また、電子マネーを「利用していない」と回答した人に、今後の利用意向について質問したところ、「利用したいと思う」が40.9%、「利用したいと思わない」が19.4%、「わからない」という人が39.8%となった。

「質問:あなたは今後電子マネーを利用したいと思いますか」の結果

同社は、「わからない」という意見が、4割にものぼった点に注目し、「各社は新しいサービスを次々に投入しているが、結果としてサービスが乱立することになり、利用者を遠ざけているのであろう」と分析している。

共通のICカード、望む声多し

回答者からの自由記入欄では、複数ある電子マネーの共用化や、セキュリティ面が整備されたクレジットカードとの一体化を望む意見が多かった。また、入金(チャージ)が面倒という意見も多く、「事前に現金をチャージするプリペイドよりも、ポストペイ(後払い)方式のカードが好まれているようだ」(同社)とも指摘。

今後の電子マネーの展開として同社は、「各社の提携などによって、ユーザーの使い勝手を向上させること、暗証番号を入力させるなどセキュリティ面を整えていくことが求められているようだ」と結論づけている。