野村総合研究所は19日、電子マネーに関するアンケート調査結果を発表した。今回の調査は同研究所のインターネットリサーチサービス「TRUENAVI」を利用し、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)、東海(愛知、三重、岐阜)、近畿(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山)、福岡在住の計2,500人を対象として、2007年5月18日から21日にかけて実施された。なお、ここでの電子マネーとは、Edy、Suica、PASMO、ICOCA、PiTaPa、nanaco、WAON、iD/DCMX、QUICPay、Smartplus/Visa、PayPass、JAL ICクーポンを指している。

調査結果によると、何らかの電子マネーの保有率は全体の49.1%を占めた。うち、電子マネーの利用方法として「買い物に利用している」(25.1%)と答えた人が最も多く、次いで「交通機関の切符や定期券としてのみ利用」(16.8%)だった。また、利用場所では「コンビニエンスストア」(55.7%)と「駅構内および駅ビル内の小売店」(40.5%)が突出して多かった。さらに、電子マネーに今後望むこととしては、「現金やクレジットカードで支払うより多くのポイントがつく」(55.8%)、「もっと多くの場所でチャージできたり、チャージの手間が軽減される」(41.1%)、「電子マネーを盗難・紛失したときに保証が受けられる」(38.4%)が上位を占めた。

電子マネーの保有・利用状況(図提供 : 野村総合研究所)

買い物などの際、メインで利用している電子マネーとして最も回答が多く寄せられたのは、ビットワレットが運営する「Edy(エディ)」(47.5%)。選定理由について、「Edy」をメインに使う人は「その電子マネーしか持っていないから」が32.2%と最も多かった。

電子マネーの主な利用場所(最大3つまで複数回答、図提供 : 野村総合研究所)

買い物などに最もよく利用する「メイン電子マネー」(図提供 : 野村総合研究所)

一方、鉄道系電子マネー(Suica、PASMO、ICOCA、PiTaPa)をメインに使う人は43.4%で、うちJR東日本が発行する「Suica(スイカ)」は28.4%を占めた。鉄道系電子マネーをメインに使う人は、その理由として「鉄道やバスなど交通機関の切符や定期券としても使えるから」(72.1%)を挙げており、次いで「その電子マネーしか持っていないから」(34.6%)だった。この結果から同研究所は「鉄道系電子マネーは買い物利用もできる点や今後、名古屋や福岡への鉄道系電子マネー導入される点から、"メイン電子マネー"としてシェアを伸ばしていくことが予想される」としている。

「メイン電子マネー」の選定理由(最大3つまで複数回答、図提供 : 野村総合研究所)

電子マネーの保有状況と今後の保有意向(図提供 : 野村総合研究所)

鉄道系電子マネーの保有率をエリア別に分析したところ、首都圏においてはSuicaが53.6%、PASMOが21.3%、近畿ではICOCAが18.2%、PiTaPaが11.3%という結果になった。また、PASMOは首都圏の27.4%、ICOCA とPiTaPaは近畿のそれぞれ17.6%、23.6%の人が「今後持ちたい」と回答しており、同研究所では"ご当地"の鉄道系電子マネーの人気が窺えるとしている。

電子マネーに今後望むこと(最大3つまで複数回答)
図提供 : 野村総合研究所