レクサスは、フラッグシップモデルとなるハイブリッドセダン「LS 600h」と120mmホイールベースを延長したロングホイールベースの「LS 600hL」の発売を開始した。いずれも新開発の5LV8ガソリンエンジンとモーターを搭載したフルタイム4WD駆動で、6L車クラスの動力性能を実現した。乗車定員はLS 600hLの「後席セパレートシートpackage」(4人)を除いて5人。価格はLS600hが970万円~1,220万円、LS 600hLが1,330万円~1,510万円。ボディカラーは、ブラックオパールマイカやホワイトパーツクリスタルシャイン、ベージュメタリックなど全10色が用意される。
LS 600h/600hLは、筒内直接噴射とポート噴射を併用する5L V8エンジンに連続可変バルブ機構VVT-iを搭載し、2段変速リダクション機構付きの高出力モーターと組み合わせることで、6L車に匹敵す動力性能とクラストップの環境性能を両立した。最大出力は394PS(290kW)、最大トルクは53kg・m(520Nm)減速時にはモーターで発電してバッテリーの充電を行う4輪回生ブレーキを採用、油圧ブレーキと協調制御することで大幅なCO2排出量の削減と、自然なブレーキフィーリングを実現したという。駆動方式は、フルタイム4WD(AWD)で、通常走行時は前後輪の駆動力配分を後輪寄りの4:6とし、走行状況に応じて5:5または3:7を自動選択する。また、シフト操作により8段階のエンジンブレーキが使用可能なシーケンシャルシフトが設定され、ノーマル/パワー/スノーの3つの走行モードが選択できる。
環境性能は、CO2の削減を念頭に燃費向上を図り、12.2km/L(10・15モード)を実現、平成22年度年に基準+20%と6L車の半分程度の排出量とした。また、NOx(窒素酸化物)やNMHC(非メタン炭化水素)も低減し、平成17年度基準外出ガス75%低減レベルの認定を取得した。また、エンジンやモーター、トランスミッション、タイヤに至るまでの静粛性を見直して最適化を図ったという。発進時や低速・低負荷走行時はモーターのみでの走行も可能にして静粛性に貢献している。
また、ヘッドライトには世界で初めてLEDを光源とした3眼一体型プロジェクターヘッドランプをロービーム側に採用した。ハイビームはハロゲンランプが採用されている。
LS600hLは、LS600hのホイールベースを120mm延長したロングホイールベースモデル。延長した120mmをすべて後席スペースの拡充に割り当てた。また、「後席セパレートシートpackage」の後席左シートにはバイブレーターによる振動機能と8個の押圧機能を備えたリヤリラクゼーションシステムや伸ばした足を支えるオットマン、前面衝突時にシート座面前方をエアバッグで持ち上げて乗員の前方移動を減少する後席SRSシートクッションエアバッグ、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールと超音波センサー付きインテリジェントパーキングアシストを標準装備する。そのほかのモデルではオプション装備として用意される。