日産自動車は、車両耐歩行者の交通事故低減のため、携帯電話の通信を活用したITS(Intelligent Transport System)システムを開発し、実証実験を開始すると発表した。2007年4月以降に各携帯電話事業者が新規に提供する第3世代携帯電話が、原則としてGPS測位による位置情報通知機能を持つことにより、クルマやドライバー、歩行者が所持する携帯電話で通信を行い、見えにくい場所にいる歩行者の情報をドライバーに通知するというもの。

携帯電話のパケット通信を使用し、見えない場所に歩行者がいてもドライバーに通知する

同システムの具体的な実証実験内容は、以下の通り。

  • 携帯電話のパケット通信を利用して車両のプローブ情報(走行情報)と、歩行者が所持する携帯電話の位置情報を収集し、その情報から車両と歩行者の位置関係を明らかにする
  • 車両の進行方向前方に存在する歩行者を検出し、注意喚起が必要と判断した場合に、車両へ歩行者の存在情報を提供する

以上の実験を車両や歩行者の進行方向や移動速度、車両と歩行者の距離などさまざまな条件で行い、どのような歩行者の情報をどのタイミングでドライバーへ知らせれば事故低減に寄与するかを検証する。また、画面表示や音声など、ドライバーに知らせる方法についても検証を行うとしている。

同システムの開発および実験について、携帯電話を活用する通信技術についてはNTTドコモの技術協力を得るという。