右:寺尾実
ビジュアルディレクター、CGアニメーター。2009年チームラボ入社、代表作「生命は生命の力で生きている」「Nirvana」 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」オープニングなどアートから映像演出まで担当。
左:田村渡
デザインディレクター、web/UI/UXデザイナー。2008年チームラボ入社。代表作「MUJI to Sleep」「Digital Play Land」「Rock star hotel」「御宿 竹林亭」など、webやアプリ、サイネージなどデジタルソリューション全般に関するデザインを幅広く担当。

写真編集ソフトの定番「Photoshop」が、今年で25周年を迎えます。そこで、フォトグラファーやデザイナー、イラストレーターなど、このソフトを愛用している各界のクリエイターに、アニバーサリーイヤーを記念して、ご自身とPhotoshopに関するエピソード、そしてPhotoshopへのお祝いの言葉を寄せていただきました。

今回ご登場いただくのは、Webデザイン・現代アートの領域をまたいで活動している"ウルトラテクノロジスト集団"「チームラボ」のクリエイティブ部門より、ビジュアルディレクター/CGアニメーター・寺尾実さんとWeb/UI/UXデザイナー・田村渡さんです。

――はじめて触れたPhotoshopのバージョンと「第一印象」は?

寺尾さん: はじめてのバージョンはPhotoshop 3だったかと思います。触れる前は、とにかく何でも出来る夢のツールのように思っていました。でも、実際に触ってみると、頭の中で想像していたものが画面の中に実現されるだけなんだと分かりました。そして、使っていくほどに、頭とツールがどんどんリンクしていき、いつの間にか、手描きの時間が少なくなっていったのを覚えています。いつも欠かせないメインツールです。

田村さん:

初めて触れたのはPhotoshop 5.5からです。当時はPCの真っ黒い画面にひたすらコードを打って、偽インベーダーとかを作っていたので、GUIベースでイラストが描けることがすごく衝撃でした。

――普段の業務・活動におけるPhotoshopの使い方を教えてください。

寺尾さん:

主にアート作品、アニメーション映像の制作をしています。昨年製作したNHK大河ドラマ「花燃ゆ」のオープニング映像でも、Photoshopを多用しています。映像制作の準備段階「プリプロダクション」では絵コンテの作成からイメージボード、3DCGオブジェクトのテクスチャ制作まで、一連の作業に欠かせない存在です。また、近年チームラボではインタラクティブな作品を多く手がけていますが、プロジェクト自体の制作工程は毎回変わってくることが多いため、最終アウトプットをコントロールできる手段である「イメージの共有」にも大変役立っています。

田村さん:

Webやアプリ、サイネージなどのUI/UXの設計では、Photoshopをベースにして、全ての画面UIデザインを行います。属性パネルやファイルの外部リンク機能、スマートオブジェクトやスタイルの充実によって、圧倒的にページ制作の効率化やスピードアップしたと思います。ピクセルベースでのデザインのしやすさが向上していたり、大規模コンテンツのUXなどを設計しやすいようになってきていて、現場としては、とても嬉しいです。Photoshopはレイヤースタイルや調整レイヤー、マスクなど色彩設計を柔軟にする機能を多数搭載しているので、ビジュアル、イラストレーションを素早く作るためのツールとしても重宝しています。

――最もよく使う/気に入っているPhotoshopの機能は?

寺尾さん:

最もよく使うのはundoです!とにかく作業中は何度もやり直すので、「戻れること」が最大の発明だと感じます。ひとつ要望があるとすれば、今の感覚的なツールのまま、時間軸を細かく扱えるようになったら、アニメーションツールとしても使えそうです。3DCGでアニメーションを作る際には最低でも3つ~4つのソフトを行き来して作業しているので、複雑なレイヤー構成をPhotoshopで組みつつ、タイムラインとして扱えたらと思います。

田村さん:

画像アセットツールやスマートオブジェクトなどの機能だと思います。最近はマルチデバイスで制作する業務が拡大しているので、大量の画像を管理したり、以前では考えられないような高解像度のデータでの制作・書き出しを行わないといけなくなりました。それをいち早く察して機能に取り入れたそのスピード感は本当にすごいなと思いました。また、細かい話ですが、スマートフィルターやグループにクリッピングマスクを適用できたりと、すごく細かい機能のアップデートが個人的にはツボです!もっとマニアックなショートカットの追加も期待しています。

――最後に、25周年の節目を迎えたPhotoshopへの激励の言葉をお願いします。

寺尾さん:

鉛筆や絵の具だとかツールが全てがひとつに揃ってる!改めて素晴らしいなと思います。僕たちは「共創」ということを念頭に置いて、つねに誰かと考えながらものを作っています。ひとつのファイルを複数人で同時に作業できたら、またひとつ新たな物作りが見えてきそうです。これからも、さらに感覚的で、クリエイターにやさしいツールになってほしいです!

田村さん:

世界のデジタルクリエイティブを支え続けてきたのは、間違いなくPhotoshopなどのAdobeのツールだと思います。特に今のwebやアプリなどのUI/UXの世界は、非常に複雑でマルチメディア化が加速している傾向にあります。そのため、体験ベースで使える複数画面でのデザイン制作にも対応していってもらえると、さらに嬉しいです! Photoshopという名前の枠を超えた未来のクリエイティブツールを期待しています。これからもPhotoshopLOVEです!

チームラボからのお知らせ

「Floating Flower Garden - 花と我と同根、庭と我と一体と」



日本科学未来館で好評開催中の『チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地』。2015年3月1日までの会期で開幕しましたが、3月7日~5月10日までを後期として、会期延長することが決定しました。開幕から約1カ月間で10万名を超える皆様にご来場いただき、特に土・日は大変混雑して、たびたび入場制限を行ってきたことを踏まえて、春休み、GW期間中もご覧いただけるようにしました。さらに、後期開催期間中の土日・祝日は19:00まで開館時間を延長します。この機会にぜひご来場ください!