この半導体ニュースのまとめ

・キオクシアが北上工場の第3製造棟「K3棟」建設に向けた土地整備を開始
・K2棟の南側に建設し、2029年度中の稼働開始を目指す
・AI普及に伴う需要拡大を見据え、BiCS FLASHの生産能力を増強

キオクシアは8月27日、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」の生産能力増強に向け、岩手県北上市の北上工場に第3製造棟「K3棟」を建設することを目的とした、土地などの整備を開始したことを発表した。

K3棟は、北上工場の第2製造棟「K2棟」の南側に建設し、2029年度中の稼働開始を目指す。具体的な建設時期や生産設備への投資内容、導入時期については、今後の市場動向を踏まえて決定する。

AI普及を見据えてBiCS FLASHの生産能力を増強

AIデータセンターでは、学習・推論に用いるデータやAIモデル、推論結果などを保存する大容量ストレージが必要となるほか、ロボット、自動車、産業機器、クライアント端末などでも、取得したデータやAIモデルを保存する高性能・大容量のNAND需要が拡大することが見込まれている。中でも推論AIを起点にエージェンティックAIやフィジカルAI、オンデバイスAIの社会実装が進むことで、NAND市場が中長期的に拡大していくとキオクシアでは見込んでいる。

K3棟の建設は、こうしたNANDフラッシュメモリ需要拡大を見据えた先端BiCS FLASHの生産能力と安定供給体制を強化する取り組みとなる。

設備投資は市場動向を踏まえて判断

なお、今回の発表はK3棟の建設に向けた土地などの整備開始に関するもので、建設着工や製造装置の導入時期、具体的な生産能力などは決定しておらず、市場の動向を踏まえて決定していくと同社では説明している。

半導体を新たに量産するためには工場の建設から、装置の搬入、量産ライン構築、歩留まり向上などを含め、年単位の時間軸で考える必要がある。2029年度中の稼働開始を目標として準備を進めながら、フラッシュメモリの需給や顧客需要を見極め、建設と生産設備への投資を段階的に判断することで、市場として最悪のタイミングを避け、最適なタイミングでの投資とすることを狙う意図があると見られる。また、K3棟への投資については、政府による支援を前提としており、その金額がどの程度によるのかといった部分も実際の稼働時の量産規模などにつながっていくと見られる。