このFPDニュースのまとめ
・Omdiaが2026年のディスプレイ市場予測をユニット、面積需要ともに下方修正
・背景には地政学的緊張の高まりやメモリ価格高騰などによる需要減退がある
・ノートPCディスプレイは2026年後半にさらに需要減退の可能性
Omdiaが2026年のディスプレイ市場予測を下方修正
英Omdiaは、ディスプレイ長期需要予測をもとに、世界のディスプレイ市場の見通しが悪化していることを踏まえ、2026年の需要予測を下方修正したことを明らかにした。
それによると、ディスプレイユニットの台数需要は、2025年末予測の前年比2%減から同6%減へと下方修正されたほか、面積需要も、同6%増から同1%増へと下方修正されたという。
下方修正の背景に地政学的緊張の高まり、部品コストの上昇などの影響
今回の修正は、中東における地政学的緊張の高まり、部品コストの上昇、そして継続的なサプライチェーンの混乱といった要因による圧力の高まりを反映したものであり、これらの要因はメーカーに価格引き上げを余儀なくさせ、今後も消費者の需要を抑制する可能性があるとOmdiaでは指摘している。
Omdiaのディスプレイ調査部門のシニア主席アナリストであるリッキー・パーク氏は、「ディスプレイ業界は、嵐のような課題に直面している。中東における地政学的な不安定さがサプライチェーン全体のコスト構造に影響を与えており、原油価格の高騰、メモリ価格の上昇と関税関連の圧力などを踏まえる形でメーカーは価格戦略の見直しを迫られている。こうした状況を踏まえると従来の予測から需要見通しを下方修正せざるを得なくなった」と、今回の下方修正の背景を説明している。
中でも中東の地政学的動向は、ディスプレイサプライチェーン全体にコスト上昇を招いている。例えば原油価格の高騰が原材料や主要部品のコストを押し上げ、パネルメーカーとセットメーカーの両方に圧力をかける状況を招いている。メモリ価格の上昇と継続的な関税問題もそこに加わり、メーカーはコストを吸収するか、消費者に転嫁するかという難しい決断を迫られている。
最終製品も需要が低迷
2026年のテレビパネル需要は、前年比2.0%減とOmdiaでは予測している。2025年後半は、中国のテレビメーカーが過去最低水準の価格で在庫を確保したことでパネル購入が好調だったものの、サプライチェーンコストの上昇を受けて、テレビメーカー各社は小売価格を引き上げる見込みであり、この影響により市場需要の減少や市場シェアの低下につながる可能性があるとする。
また、ノートPC向けディスプレイ市場も深刻な課題に直面している状況にあるとする。PCメーカー各社が2026年第2四半期から20~30%ほどの値上げを進めており、買い替え需要の低迷が引き起こされる可能性があるためで、Omdiaではこれを踏まえ、2026年のノートPCディスプレイの需要予測を従来予測から約720万台下方修正。値上げの影響が本格化するにつれ、2026年後半にはさらに需要が弱まる可能性があるともしている。
こうした需要の軟化からパネルサプライヤ各社は2026年に厳しい環境に直面することとなり、稼働率の管理が重要になるとOmdiaでは指摘している。また、テレビメーカーも競争力のある価格設定と生産コスト上昇のバランスを取る必要があり、仕様の見直しや利益率の低下の影響を受ける可能性があるとも指摘している。
