この半導体ニュースのまとめ
・トレックスが車載AEC-Q100 Grade1準拠の36V/600mA降圧DC/DCコンバータを開発
・最大入力36V、尖頭電圧46V、動作温度-40℃~+125℃に対応し、車載+B入力に対応
・XD9704はF-PWM固定制御、XD9705はPWM/PFM自動切替制御を採用し、用途に応じて選択可能
車載向け36V/600mA降圧DC/DCコンバータを開発
トレックス・セミコンダクターは8月6日、車載規格「AEC-Q100 Grade1」に準拠した降圧DC/DCコンバータの新製品「XD9704/XD9705シリーズ」を開発したことを発表した。
同シリーズは、36Vの高耐圧に対応しつつ、省スペース化と低消費電力化を図った降圧同期整流DC/DCコンバータ。動作温度範囲は、AEC-Q100 Grade1に対応する-40℃~+125で、入力電圧は最大36V、尖頭電圧は46V(400ms以下)に対応しており、車載機器の+B入力に使用できる。最大出力電流は600mAで、車載の通信系機器やセンサ、産業機器などに向けた電源用途を想定する。
2.2MHz動作で周辺部品の小型化に対応
同シリーズの発振周波数は、車載機器で使いやすい2.2MHzに設定されており、周辺部品であるコイルやコンデンサとして小型品を使用しやすく、実装面積も48.7mm2に抑えられるという。車載のセンサや通信モジュールでは、搭載スペースが限られる一方、電源回路には高効率と低発熱が求められるため、小型部品と組み合わせやすい点は設計上の利点となる。
また、自己消費電流を11μA、入力電圧12V、出力電圧5V、出力電流1mA時の効率を90%としており、軽負荷から重負荷まで高効率を維持できるため、待機時消費電力の低減が求められる車載機器や、常時動作するセンサ系電源にも適用しやすいとする。
中高耐圧LDOの発熱課題を置き換えで解消
同社では、従来からよく使われてきたパッケージサイズの大きい中高耐圧LDOの発熱課題を同シリーズに置き換えることで解決できるとしている。降圧DC/DCコンバータとして高効率に電圧変換できるため、LDOから置き換えることで発熱を抑えつつ、小型化と省電力化を図ることができる。電源回路の熱設計や基板面積の制約が厳しい車載・産業機器に向けた提案となる。
PchドライバFET内蔵で100%デューティーに対応
また、中高耐圧DC/DCコンバータで一般的に使われるNchドライバFETではなく、PchドライバFETを内蔵することで、100%デューティー動作に対応する。クランキング時のように入力電圧が出力電圧設定値より低下した場合でも、入力電圧をそのままスルーして出力できるため、入出力電圧差が小さい条件でも利用しやすい。
さらに、出力電圧が十分に立ち上がったことを知らせるPowerGood機能と、起動時のソフトスタート機能を活用することで、後段負荷システムの電源シーケンス制御にも対応できるとする。
XD9704はF-PWM、XD9705はPWM/PFM自動切替
制御方式はシリーズごとに異なっており、XD9704シリーズは、常にリップル電圧を低く抑え、安定動作しやすいF-PWM固定制御を採用。ノイズやリップルを抑えたいセンサや通信系の電源用途に適するとしている。
一方のXD9705シリーズは、軽負荷から重負荷まで高効率動作を狙えるPWM/PFM自動切替制御を採用する。負荷変動が大きいアプリケーションや、待機時の消費電力を抑えたい用途に適した製品としており、用途に応じて選択することで、車載機器や産業機器の設計自由度を高めることを可能としている。
パッケージはSOT-89-5とDFN1820-6Jを用意
パッケージは実装が容易なSOT-89-5と小型低背かつウェッタブルフランク構造によるはんだフィレットの確認が可能なDFN1820-6Jの2種類を用意。SOT-89-5の外形寸法は4.5mm×4.6mm×1.6mmで、DFN1820-6Jの外形寸法は1.8mm×2.0mm×0.6mmとしているが、DFN1820-6Jは発表時点では開発中だとしている。
なお、2シリーズともにすでに量産を開始しており、参考価格は308円としている。同社では、同シリーズを小型化要求の強いセンサ/通信系の車載機器のほか、産業機器をはじめとする高信頼性用途に向けた小型汎用高耐圧製品として展開していくと説明している。



