AIブームをけん引してきたOpenAIがコーディング分野でライバルのAnthropicに、首位を奪われ、巻き返しを図っているという。
「本業以外の寄り道」を追い求めて道を見失う
OpenAIは主力製品「ChatGPT」の成長が鈍化しており、後継者と目されていたFidji Simo氏も離脱するなど、組織面での動揺が続いている。
一方、Anthropicは、コーディングツール「Claude Code」の成功を背景に売上成長率・企業価値ともに、OpenAIを上回った。評価額は1兆ドルに迫る勢いで、秋のIPO(新規公開株式)に向けた準備を加速しているという。なお、Anthropicを創業したDario Amodei氏とDaniela Amodei氏はOpenAI出身だ。
敗因の1つにOpenAIが2024年秋に投入した推論モデルが競技プログラミング向けに最適化され、実務向けではなかった点を挙げている。対照的にAnthropicは実世界のタスクを重視する方針を早くから明確化していた。
また、OpenAIが動画生成アプリ「Sora」など派手なプロジェクトに資源を割く間、Anthropicがコーディング市場の間隙を突いたという。
2026年3月には社員から経営陣に「なぜわれわれは常に後手に回っているのか」との疑問が相次いだことも報じている。Simo氏(当時)は、OpenAIが「本業以外の寄り道」を追い求めて道を見失い、研究・製品の両面でAnthropicに後れを取ったと認めた。その後、同氏は健康上の問題により正規の役職から退いている。
OpenAIは統合型のスーパーアプリや新モデル「GPT 5.6 Sol」の投入で反転攻勢に転じつつあるといい、AIメディアソフトウェアを提供するEvery CEOのDan Shipper氏など一部業界関係者が「OpenAIが主導権を一部取り戻すだろう」と見ていることも紹介している。Wall Street Journalが7月31日付で分析記事を掲載している。