ヌヴォトン テクノロジーは4月15日、直径9.0mmのCAN型パッケージ(TO-9)において4.5Wの光出力を実現した波長402nmの紫色半導体レーザ「KLC434FL01WW」を開発、2026年5月より量産を開始することを発表した。
波長402nmの紫色半導体レーザは、電気入力に対する光出力変換効率を示す指標である光電力変換効率(WPE)が比較的低く自己発熱が大きいことに加え、短波長光に起因する素子劣化が生じやすいため、高出力領域での安定動作が困難とされてきた。
今回、同社は2026年1月に発表した1.0Wの紫外(379nm)半導体レーザにて導入した、「光電力変換効率を高めるデバイス構造」と「熱を効率よく逃がす高放熱パッケージ技術」を、紫色(402nm)帯にも展開して課題の解決を図ったという。
特に、レーザ端面の劣化要因を抑制する独自の保護膜技術を適用することで、高出力動作時における寿命性能を向上させるとともに、パッケージに高放熱材料を用いた一体成型構造を採用することで、 放熱性を向上させた結果、従来製品比で光出力1.5倍の高出力化と高信頼性の両立を達成したという。
マスクレス露光用光源としての活用に期待
同社では同製品について、高い品質が求められる産業用途の光学装置において生産スループットの向上に貢献するとしており、中でも先端パッケージ分野での活用が期待されるマスクレス露光技術の価値向上につなげられるとする。先端パッケージのインターポーザの露光に使われる光源波長はi線(波長365nm)もしくはh線(波長405nm)が主で、光源の1つである半導体レーザにもそれぞれに近い波長への対応に加え、高スループットの実現のための高出力化が求められてきた。同社でも、先般発表済みの1.0Wの紫外(379nm)半導体レーザをi線向けに、今回の4.5Wの紫色半導体レーザをh線対応マスクレス露光用光源として提供することで、それぞれの光源ニーズに対応を図っていくとする。
水銀灯代替ソリューションとしても提案
マスクレス露光のほか、h線の波長405nmは水銀灯の輝線であり、光硬化や3Dプリンティング、センシング、バイオメディカル、マーキングなど幅広い分野で活用されてきた。しかし、水銀の使用が世界的に禁止される方向で進んでいることもあり、水銀灯の代替ソリューションの提供が各産業分野などから求められており、同社では、同製品の高出力特性を活かすことで、そうしたニーズに対応する代替光源として、従来は実現が難しかったプロセスの高効率化や新たな光アプリケーションの創出につなげていきたいとしている。

