米国半導体工業会(SIA)は11月3日(米国時間)、2025年9月の世界の半導体月間売上高(3カ月移動平均)が前年同月比25.1%増、前月比7.0%増の695億ドルとなったと発表した。また、併せて2025年第3四半期の売上高は前四半期比15.8%増の2084億ドルとなったことも発表された。
SIAプレジデント兼CEOのジョン・ニューファー氏は、「第3四半期も半導体市場は引き続き成長し、第2四半期を上回った。市場の成長は、従来からのメモリやロジックだけではなく幅広い半導体製品における需要の増加に牽引された。また、前年同期比での成長は、アジア太平洋地域と南北アメリカ地域によって牽引された」と述べている。
その地域・国別の9月の売上高は、前年同月比で、アジア太平洋地域が47.9%増、米州が30.6%増、中国が15.0%増、欧州が6.0%増となったが、日本だけ10.2%減となり、2025年6月以降、4か月連続のマイナス成長となった。また、前月比で見た場合、米州が8.2%増、アジア太平洋地域が8.0%増、中国が6.0%増、欧州が5.5%増、日本が1.6%増といずれの地域・国でも成長を達成した。
日本市場のシェアが5.4%へ低下
地域・国別の売上高を見ると、米州が225.2億ドル、アジア太平洋地域が197.8億ドル、中国が186.9億ドル、欧州が46.9億ドル、日本が27.8億ドルとなっており、世界市場に占める日本市場の割合は5.4%となった。
日本市場のシェアは低下を続けており、短期的に見ても2025年1月の6.9%から、7月には5.9%と初めて6%を割り込み、8月に5.7%。そして9月には5.4%へと下落傾向が続いている状況である。多くの海外半導体企業にとって、かつて世界最大の市場であった日本市場は魅力を失いつつあるのは残念である。
世界市場全体の成長率よりも高いTSMCの成長率
2025年1月~9月の9か月間の半導体市場の成長率は前年同期比で20.4%であったが、ファウンドリ最大手TSMCの同期間の売上高の成長率は同36.4%とさらに高い。これは同社のビジネスが、成長のけん引役であるAI関連やハイエンドスマートフォン向けプロセッサなどが単価の高い最先端プロセスを活用したものが多いため。世界市場全体としてみると、AI以外の家電や自動車なども含まれるため、差が生じたものと推測される。

