低消費電力を実現した16ビットマイコン
ルネサス エレクトロニクスは8月27日、同社の16ビットマイコン「RL78ファミリ」として、スマート家電向けとなる「RL78/L23グループ」を新たに発表した。
同グループは、OTA(Over the Air)によるファームウェアのアップデートを可能にする最大512KBのデュアルバンクフラッシュメモリを搭載しているほか、スタンバイ状態の長いバッテリ駆動機器に最適な超低消費電力モードを搭載した最大32MHzで動作する16ビットRLマイコンを採用することで、動作時電流109μA/MHz、スタンバイ電流0.365μAに加え、1μsの高速ウェイクアップ時間によるCPUの動作時間最小化を実現したとする。
LCD表示でも省電力化の工夫を追加
また、内蔵されたセグメントLCDコントローラには新たにVL4リファレンスモードを搭載したことで、従来のRL78/L1xグループ比でLCD動作電流を約30%低減することを可能としたとするほか、CPUを動作させずにLCDセグメント表示を可能にするSMS(スヌーズモードシーケンサ)も搭載。SMSにタスクをオフロードすることで、CPUの動作回数を最小限に抑え、システム全体での省電力化を実現できるようになり、リモコンや血圧計、環境モニタリング機器などの、バッテリ寿命の延長、設計の簡素化、バッテリ交換コストの低減を実現することができるようになるという。
さらに静電容量式タッチ機能も内蔵しているほか、温度センサ、内蔵発振器といった主要コンポーネントも統合しており、BOM(部品表)コストと基板面積の削減も可能としたとする。
同グループはすでに量産を開始しており、44~100ピンのLFQFP、LQFP、HWQFNパッケージで提供されるという。
なお、同社によるとRL78ファミリは2010年にリリースされ、2011年より発売が開始されたが、2025年8月時点までに累計出荷実績が100億個を超え、106億個に到達(車載向け含む)したという。
