USB Type-C規格Release2.4準拠のArmマイコンが登場

ルネサス エレクトロニクスは6月10日、Armコア搭載32ビットマイコン「RAファミリ」として、USB Type-C規格Release2.4に準拠した「RA2L2」グループを発表した。

同グループは、RAファミリのRA2シリーズに位置づけられ、最大動作周波数48MHzのCortex-M23コアを搭載しているほか、USB Type-CとUSB Full Speed(12Mbps)規格の両方に準拠しているため、イヤホンの充電ケースや、荷物に同梱して温湿度を記録するデータロガー、カードリーダやハンディプリンタなど、USB充電とUSB通信の両方を必要とする小型ポータブルデバイスの、部品点数と基板面積の削減を可能とするという。

  • USB Type-C規格Release2.4に準拠した「RA2L2」グループ

    RAファミリとしてUSB Type-C規格Release2.4に準拠した「RA2L2」グループ (提供:ルネサス)

CC検出機能の搭載で幅広い用途に対応

また、USB Type-Cコネクタを接続した際に給電方向と給電容量を読み取ることができるCC(Configuration Channel)検出機能を搭載しているほか、USB Type-Cの最新仕様Release 2.4に準拠しているため、電圧検出のしきい値が1.5A給電の場合0.613V、3.0A給電の場合1.165Vまで引き下げられており、誤検出による急速充電の停止などを防ぐことが可能となったとする。

さらに、独自の低消費電力技術を採用し、アクティブ(動作)モードの消費電流を87.5μA/MHz、ソフトウェアスタンバイ(待機)モード時の消費電流を250nAに抑えたことで機器のバッテリ寿命を延ばすことも可能としたという。

このほか、USB以外の周辺機能として、ローパワー(LP)UART、I3C、I2S、CANインタフェースなどにも対応しており、中でもLPUART用に独立した動作クロックを搭載したことで、Wi-FiやBluetoothモジュールをLPUARTで接続することでデータ受信と同時にシステムを起動させることもできるようになるとしている。

なお同グループは、すでに量産が開始されており、32/48/64ピンLQFP、32/48ピンQFNで提供されるほか、USBデータロガーソリューションやGNSSによる通行料自動徴収ソリューション、ゲーミングキーボードやゲーミングマウスソリューションといったウィニング・コンビネーションが提供されるという。開発には、同社のFlexible Software Package(FSP)を利用することが可能だという。

  • 「RAファミリ」の製品ポートフォリオ

    ルネサスのArmマイコン「RAファミリ」の製品ポートフォリオ (提供:ルネサス)