ルネサス エレクトロニクスは11月5日、同社のArmコア搭載RAマイコンの最上位シリーズ「RA8」のエントリーラインモデルとしてArm Cortex-M85を搭載した「RA8E1」および「RA8E2」の2製品を発表した。
2製品は、従来RA8シリーズの処理性能をそのまま維持しつつ、セキュリティIPコア「RSIP-E51A」を非搭載としたほか、フラッシュメモリやSRAM容量の削減に加え、周辺機能もUSB High-SpeedやI3Cの非搭載とすることで低コスト化を実現したモデルとなる。
RA8E1は、2023年に発表されたRA8シリーズのメインストリーム品「RA8M1」をベースに、最大動作周波数を360MHzに抑え、フラッシュメモリを最大2MBから1MBに削減、SRAMを544KB(ECC対応32KB TCM + パリティ保護機能付き512KB SRAM)に削減、セキュリティIP、各種周辺機能の削減などを図ることで低コスト化を実現。一方のRA8E2は、グラフィックス機能搭載製品「RA8D1」をベースに最大動作周波数480MHzに抑え、フラッシュメモリを最大2MBから1MBに削減、SRAMを672KB SRAM(ECC対応32KB TCM + パリティ保護機能付き512KB SRAM + 128KB SRAM)に削減、対応ディスプレイ解像度を最大WVGA(800×480)へと制限するなどにより、低コスト化を実現したモデルとなっている。
いずれもRA8シリーズであることから、同社のFlexible Software Package(FSP)を利用でき、迅速なアプリケーション開発が可能だという。また、ArmのMプロファイル・ベクトル拡張(MVE)およびArm Heliumテクノロジを採用しており、AIモデルを実行する際に高い性能が求められるAIoT分野でのアプリケーションニーズにも対応可能だとのことで、コストを重視した産業オートメーションやホームオートメーション、オフィス機器、ヘルスケア、コンシューマ機器などに最適だと同社では説明している。
なお、価格は個数にもよるが、RA8M/RA8D1と比べて約15%ほど抑えられると同社では説明している。また、RA8E1にはFast Prototyping Boardが用意されているほか、TFTディスプレイを含むRA8E2評価キットも2025年第1四半期中には提供が開始される予定だという。