ニデック、GaNパワー半導体を活用したドローン用小型・軽量ESCを開発

ドローンの軽量化にGaNパワー半導体を活用

ニデックは4月25日、GaNパワー半導体デバイスを活用することで小型・軽量設計を実現したドローン用ESC(Electric Speed Controller)を開発したことを発表した。

ESCは、機体のフライトコントローラからの指令に従ってモータを駆動するコンポーネント。GaNパワー半導体は、動作時の発熱量がシリコンベースのパワー半導体と比べて少なく、冷却機構の省略なども含めて製品の小型化や軽量化につながることが期待される一方、性能を引き出すためのノイズ対策や回路・基板の設計に課題があったという。

同社では今回、精密小型モータ開発で培った小型化ならびに軽量化設計技術と高密度実装技術を活用することで、重量を従来ソリューション比で1/3に抑えることに成功したとする。

ニデックが開発した出力5kWのESC (出所:ニデック)

エッジAIの搭載で機体の安定動作を向上

また、エッジAIを活用した状態推定機能も搭載したことで、モータの異常検知や動作の安定性を向上させることに成功したとする。さらに、独自の制御技術を適用することでモータの効率を向上させることにも成功しつつ、かつフライトコントローラからの指令に忠実にモータを駆動することを可能としたことで、飛行中の制御精度の向上を実現。高い安全性と信頼性を実現した運用が可能になったという。

なお、同社は現在、出力1kWの低出力モデル、出力5kWの中出力モデル、出力10kWの高出力モデルの3モデルのESCを開発しているとのことで、2026年1月の製品化を予定しているとする。