穴水村田製作所の生産再開は5月中旬以降に

村田製作所は、令和6年能登半島地震で被災した北陸地方の11か所の生産子会社(工場)のうち、震源地に近く、いまだに生産を再開できずにいる2工場の生産再開見通しを公表した。

それによると、ワクラ村田製作所(石川県七尾市:樹脂製多層基板の開発と生産拠点)については3月上旬より順次生産再開予定としているほか、穴水村田製作所(石川県穴水町:チップインダクタ、チョークコイル生産拠点)については、5月中旬以降の生産再開を見込むとしている。

  • 村田製作所グループ会社への影響

    令和6年能登半島地震における村田製作所のグループ会社各社への影響 (出所:村田製作所2023年度第3半期決算資料)

石川サンケン志賀工場は2月中旬から生産再開へ

サンケン電気の子会社である石川サンケン(本社:石川県志賀町)が有する3工場のうち、堀松工場(石川県志賀町:車載パワーモジュールの生産拠点)と能登工場(石川県能登町:汎用パワーデバイス生産拠点)については、順次生産が再開されているが、残る1つで、同社の最大の生産拠点となる志賀工場(石川県志賀町:電源用パワーデバイス、車載ECU用・デバイスなどの生産拠点)については、被害が大きく2月上旬時点でも生産再開には至っていないが、電力は復旧しており、現在、各製造設備の確認作業を推進していることもあり、一部の生産工程については2月中旬の生産再開を目指すとしている。

2月より被災前の生産能力に近いレベルへの復帰が進む加賀東芝エレクトロニクス

なお、東芝の子会社である東芝デバイス&ストレージ傘下の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)は、今回の地震でクリーンルームの排気ダクトが広範囲にわたり破損していたが、1月末までに修復が完了。主力ライン、それ以外のラインともに順次稼働を再開させており、いずれも2月上旬より被災前の生産能力に近いレベルまで回復が進んでいる模様である。

2024年2月15日訂正:記事初出時、石川サンケンの堀松工場を赤堀工場と誤って記載しておりましたが、正しくは堀松工場となりますので、当該部分を訂正させていただきました。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。