2024年1月1日午後に発生した「令和6年能登半島地震」。発生から約20日ほど経ち、ようやく被災地域内における半導体および関連する電子部品製造施設の被害の全容が見えてきた模様である。

穴水村田製作所の生産再開は5月に

村田製作所が1月19日に公表した同地震の被災状況にによると、震源に近い穴水村田製作所(石川県穴水町)は被害が大きく、生産再開は5月中旬以降になる見通しだという。

村田製作所は、石川県に5社、福井県に5社、富山県に2社の子会社があるが、このうち以下の3社は建物や設備の被害が大きく、現在までに生産再開に至っておらず、氷見村田製作所(富山県氷見市:圧電セラミックスを用いたセラミックフィルタ、セラミック発振子の製造)については2月上旬から順次生産再開の見込みとしているほか、ワクラ村田製作所(石川県七尾市:樹脂多層基板の製造および開発)については生産再開未定(追って発表)、穴水村田製作所(石川県穴水町:チップインダクタ、コモンモードチョークコイルの生産)については、工場内の調査の結果、生産再開には設備と建屋の補修を行う必要があることが分かり、そのための期間として4か月以上を要するため、生産再開が5月中旬以降になる見通しとしている。

サンケン電気の滋賀工場は電力が復旧も、一部の生産品は堀松工場で代替生産へ

サンケン電気は、子会社の石川サンケンの3工場の状況について1月17日ならびに1月22日で情報更新し、各工場の建物に対する専門的な安全確認は一週間以内に完了する予定であること、ならびに堀松工場および能登工場における一部の生産工程については、2月上旬の再開を目指すとしている。

また、震源に近い志賀工場については、停電が継続していたが、電力会社との連携を進めた結果、電力供給が復旧したとするも、生産再開については、今しばらくの時間が必要としており、その間、同工場の生産品の一部を堀松工場にて代替生産することも決定したとしている。

加賀東芝エレクトロニクスの主力ライン以外の生産能力の被災前レベルへの復帰は2月中旬が目標

東芝デバイス&ストレージは子会社の加賀東芝エレクトロニクスの復旧状況について1月19日付で情報を更新し、主力ラインについては、遅くても1月末までにクリーンルーム排気配管の修復などを完了する見込みであること、ならびに被災前の生産能力に近いレベルへの復帰については、主力ラインにおいては引き続き2月上旬を目標に復旧作業を行っており、他のラインについても2月中旬を目標としているとしている。