SEMI主催の韓国における半導体製造装置および材料の展示会である「SEMICON Korea 2024」が「Innovation beyond Boundaries(境界を越えたイノベーション)」をメインテーマに韓国ソウルの国際展示場「COEX」で1月31日〜2月2日の期間で開催されている。

韓国半導体産業はメモリ不況の中、SK hynixが2023年第4四半期に5四半期ぶりに営業損益の黒字化を果たしたほか、Samsung Electronicsの半導体事業は赤字が継続も、赤字幅は四半期ごとに縮小するなど回復基調にあり、加えて両社とも長期的にわたり巨額を投じて半導体工場の新増設計画を推進していることなどから、SEMIでは同展の参加者見込み数を過去最高の7万人(前回実績は5万7221人、今回の事前登録者数は5万人超)としている。

  • SEMICON Korea 2024展示会場への入場

    SEMICON Korea 2024展示会場への入場にも長い行列ができていた (著者撮影)

こうした状況のため同展の展示企業数も、昨年の450社から50社以上増加、ブース数も昨年の2015から2100超へと増加しており、展示会場のスペースすべてを使用する状況で、これ以上のブース増設が困難な状況にある。

日本からも東京エレクトロン(TEL)、SCREEN、日立ハイテク、ULVAC、ディスコ、堀場グループ、リガク、フジキン、東京応化、富士フイルム、ADEKAなど、名だたる装置・材料メーカー(の韓国法人)が出展している。

  • 展示会場も多くの人でにぎわっていた
  • 展示会場も多くの人でにぎわっていた
  • 展示会場も多くの人でにぎわっていた (著者撮影)

併催イベントも盛況

SEMICON Korea 2024ではSEMIテクノロジーシンポジウム(STS)として6つの主要な半導体製造プロセス(リソグラフィ、ドライエッチ、材料、デバイス、パッケージング、CMPとクリーニング)に関するセッションが開催されたほか、計測検査、テスト、スマート製造に関するフォーラムも開催された。

またビジネス分野としても恒例のSEMIマーケットフォーラムのほか、米国、欧州、東南アジアを対象とした投資フォーラムも開催。米国投資フォーラムでは、CHIPS法に関する情報提供とアリゾナ、コロラド、インディアナ、ニューヨーク、テキサスなどの各州がどのように支援政策を確立しているかについて説明されたほか、欧州投資フォーラムには、欧州委員会(EC)、ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、スイス、英国の代表が参加し、EU CHIPS法と半導体産業の成長に向けた投資戦略についての説明が行われた。東南アジア投資フォーラムでは、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの新興半導体製造地域の代表が参加し、各国の誘致政策を紹介した。

なお、人材育成分野では、半導体業界の人材不足への対処に向けて10人のベテラン半導体エンジニアが大学生にキャリア開発に関するガイダンスを提供する「Meet the Experts!」が開催されたほか、半導体業界における多様性、公平性、包括性を促進することで業界の競争力を強化することを目的とした「Women-in-Technology」が開催され、業界で活躍している女性リーダーたちがキャリアの成長について議論し、女性の活躍の場を広げる活動が行われた。

  • SEMICON Kore 2024の併載セミナー

    SEMICON Kore 2024の併載セミナーも多くの人が参加していた (著者撮影)