ソニーセミコンダクタソリューションズは9月12日、1/1.17型(対角13.70mm)で有効画素数1742万画素の車載カメラ用CMOSイメージセンサ「IMX735」を商品化、9月中のサンプル出荷を開始する計画であることを発表した。

  • 有効画素数1742万画素の車載カメラ用CMOSイメージセンサ「IMX735」

    有効画素数1742万画素の車載カメラ用CMOSイメージセンサ「IMX735」 (出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ)

自動車の安全・安心の実現と高度化する運転支援の実現に向け、車載カメラの高解像度化が求められている。同製品は、そうしたニーズに対応することを目的に有効1742万画素を実現。遠くの対象物でも高精細にとらえることを可能としたほか、自動運転システムにおいては、車載カメラだけでなくLiDARなどほかのセンシングデバイスと組み合わせて使用される必要があるが、通常のCMOSイメージセンサでは、画素から出力される信号を1行ずつ垂直方向に読み出すのに対し、同製品は1列ずつ水平方向に出力する方式を採用することで、水平方向にレーザーを走査するメカニカルスキャン方式のLiDARと同期しやすく、自動運転システム全体として、検知・認識性能を向上させることが可能になると同社では説明している。

  • 有効1742万画素の「IMX735」で撮影した拡大画像

    左が有効1742万画素の「IMX735」で撮影した拡大画像、右が同社従来品(有効839万画素)で撮影した拡大画像 (出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ)

また、独自の画素構造と露光方法により飽和照度を改善したことで、HDR(ハイダイナミックレンジ)機能とLEDフリッカーの抑制機能の同時利用時においても、106dBの広いダイナミックレンジを実現するほか、ダイナミックレンジ優先設定の場合は130dBまで実現できるとしており、逆光などの条件下でも白飛びを抑制したり、トンネルの出入り口などの明暗差の大きい道路環境などであっても対象物をより正確にとらえることができるようになるとしている。

さらに、量産開始までに同製品は自動車向けの信頼性試験基準「AEC-Q100」の「Grade 2」を取得予定としているほか、自動車向け機能安全規格「ISO 26262」に準拠した開発プロセスを導入し、自動車用安全水準「ASIL-B(D)」に対応することで、車載カメラシステムの信頼性向上に貢献するともしている。

なお、同製品のサンプル価格は3万円としている。