ASMLが台湾で2nmプロセス向け光学式半導体ウェハ計測装置の研究開発と製造を推進するため、台湾への投資を決定し、台湾政府経済部(日本の経済産業省に相当)に補助金申請を行ったと、複数の台湾メディアが報じている。

匿名の台湾政府当局者からの情報としているが、台湾経済部の補助金制度「A+ Enterprise Innovation R&D Hardening Program」は、革新的な研究開発と将来を見据えた産業技術開発に投資する企業を補助するためのものであり、経済部では、サプライチェーンの技術向上支援や台湾域内自作率など2つの側面を検討し、早ければ5月中に最終決定を下すとしている。

  • ASMLの光学式半導体ウェハ計測装置の最新機種「YieldStar1385」

    ASMLの光学式半導体ウェハ計測装置の最新機種「YieldStar1385」。台湾で2nmプロセス対応として新たに開発製造されるのはこの後継機種と思われる (出所:ASML)

ASMLは2022年、台湾への投資拡大を発表し、その第1段階として2023年7月に台湾北部の新北市林口に新たな生産拠点を建設する予定としている。同拠点には300億NTドルが投じられ、稼働時には約2000人の従業員が雇用される予定であるという。ASMLは、2016年に台湾のウェハ検査装置メーカーを1000億NTドルで買収し、検査・測定装置を同社の台湾法人で開発・製造してきた経緯がある。