onsemiは、日本の新潟県小千谷市に有する6インチウェハ工場について、マーキュリアインベストメント、産業創成アドバイザリーおよび福岡キャピタルパートナーズの3者に売却することで合意したことを発表した。

新潟工場は、約2万平方メートルのクリーンルームを有する中規模工場で、1985年に旧三洋電機(現パナソニック)が設立し、2011年にonsemiが買収。onsemiは2020年8月に売却を検討していることを明らかにしていた。売却方式としては、新潟工場の事業を継承する「株式会社JSファンダリ新潟」の株式を3者が取得する形で行われるという。

今回の売却についてonsemiでは、自社が進める「ファブ・ライター(Fab Liter)」戦略の実現に向けた最新のステップとなるものであり、製造ネットワークの最適化による売上総利益率の向上と業績の変動幅縮小に貢献するものだとしている。

また、マーキュリアインベストメントでは、今回の買収について、昨今、生産工場を保有しない半導体ファブレス企業が世界的な潮流となっており、半導体に係る現在および将来の需要を充足すべく、ファウンドリビジネスは半導体市場全体の成長率を上回る勢いで成長していくことが見込まれていること、ならびに半導体市場の中でもアナログおよびパワー半導体に対する需要は電気自動車やIoT、再生可能エネルギーなどの分野で拡大が期待されており、そうした市場需要、顧客ニーズに対応して、半導体分野で日本初の独立系スペシャリティファウンドリを創出するものであり、今後も3者が一丸となって、アナログおよびパワー半導体分野における日本の国際競争力の強化に注力していくと説明している。

なお、今回の取引は、2022年第4四半期中に完了する予定だとしている。