市場調査会社の仏Yole Groupは、More-than-Moore向け2大装置市場であるリソグラフィとボンディング市場は、2020年に合計で17億ドル規模であったものが、2027年に向けて年平均成長率(CAGR)8%で成長し、2027年には28億ドルに達するとの予測を公開した。

内訳としてはMore-than-Moore向けリソグラフィ(i-line/DUV)は、2020年には13億ドル規模であったが、CAGR5%で伸び、2027年には19億ドルに達するという。一方のボンディング市場の中で、一番規模の小さなD2W (ダイ・ツー・ウェハ)ハイブリッドボンディング市場は、2020年に600万ドル規模であったが、先端半導体各社が採用を進めていることもあり、CAGR69%で伸び、2027年には2.3億ドル規模に成長する。また、W2W(ウェハ・ツー・ウェハ)ボンディングはCAGR16%で、2027年に5億ドル規模まで成長するとしている。W2Wテクノロジーは、3Dスタッキング、CMOSイメージセンサ、3D NAND、AIプロセッサ、MEMSなどの基板の統合に使用されるという。また、テンポラリーボンディング(仮接合)は、CAGR7%で伸び、2027年には1.8億ドル規模に成長する見込みだという。ファンアウト、シンニング、メモリデバイスや複合半導体全体の3D統合などの高度なパッケージングに対応しているという。

  • ,More-than-Moore向けリソグラフィおよびボンディング装置の市場規模

    More-than-Moore向けリソグラフィおよびボンディング装置の市場規模(2020年と2027年の比較) (出所:Yole Group)

More-than-Mooreデバイスを製品カテゴリ別に見ると、最大市場はパワーIC/パワーディスクリートだが、そのCAGRは4%程度と高くなく、2027年の市場規模は8800万ドルと予測されている。2020年は、次いで先進パッケージ、光学デバイス、RFデバイス、MEMSデバイス、CMOSイメージセンサ、各種基板材料という順になっており、2027年になっても大きな変化は生じないと見られるという。

  • More-than-Mooreデバイスのカテゴリ別製造規模

    More-than-Mooreデバイスのカテゴリ別製造規模 (出所:Yole Group)

こうした各市場を支えるMore-than-Moore用リソグラフィおよびボンディング装置プロバイダとしては、東京エレクトロン(TEL)がW2Wボンディングと仮接合・剥離向け装置を供給しているほか、キヤノンがリソグラフィとW2Wボンディングの両方の装置を供給している点が注目されるという。それ以外の主要なMore-than-Moore製造装置メーカーの動向は以下の通り。

  • キヤノンはMore-than-Mooreリソグラフィ市場のリーダーであるが、ASMLが追い上げてきている。
  • EV Group(EVG)は、W2Wパーマネントボンディングとテンポラリーボンディングのマーケットリーダーであり、W2Wパーマネントボンディング事業では、EVGの後にTELが続いている。
  • 一時的なボンディング(仮接合・剥離)は、トップのEVGにSUSS MicroTecが続いている。
  • D2Wハイブリッドボンディング分野では、Besi、芝浦メカトロニクス、Smart Equipment Technology(SET)、ASM Pacific Technologyが活躍している。Besiは新参だが、マーケットリーダーであり、芝浦メカトロニクスがそれに続いている。
  • More-than-Moore用リソグラフィおよびボンディング装置プロバイダー一覧

    More-than-Moore用リソグラフィおよびボンディング装置プロバイダー一覧 (出所:Yole Group)